都内で行われた会見で笑顔を見せるバドミントン男子の桃田賢斗(2024年4月18日撮影)。(c)Kazuhiro NOGI / AFP

写真拡大

【AFP=時事】(更新)バドミントン男子元世界ランキング1位で、世界選手権優勝2回を誇る桃田賢斗(Kento Momota、29)が18日、日本代表から引退すると発表した。

 今月中国で開幕する国・地域別対抗戦のトマス杯(Thomas Cup)が最後の大会になる。ワールドツアーからは退くが、今後も国内大会には出場する。

 桃田は2019年に年間11勝を挙げ、同年は73試合でわずか6敗と圧倒的王者として君臨したが、20年1月に遠征先のマレーシアで交通事故に遭ったのを境にキャリアが暗転した。事故では乗っていた車の運転手が死亡し、桃田自身も眼窩(がんか)底を骨折。手術を受けたが、ものが二重に見える症状に苦しみ、1年の離脱を経て復帰したが、完全復活は果たせなかった。

 現在世界ランク52位で、今夏のパリ五輪出場も逃している桃田は会見で「交通事故から苦しいこともたくさんあった。試行錯誤してきたが、気持ちと体のギャップが続く中で、このまま世界一を目指そうというところまでいけないと判断した」と説明した。

 45分に及んだ会見では終始笑顔を見せ、しばしば間をおいて言葉を選んだ。代表から退く決断に「後悔はない」と語り、「(事故後は)しんどいことだらけ、つらいことだらけだった」が、「それを事故のせいにしたくなかった。それすら弾き返したかった。その気持ちだけで、あとは周りの人たちのサポートのおかげで踏ん張ることができた」と明かした。

 まさかの1次リーグ敗退となった21年の東京五輪については、「悔しい思いしかない」と振り返りつつ、「自分が昔から憧れていた五輪の舞台に立てたのは、すごく良い経験だった」と話した。

 パリ五輪も目指していたが、国内の出場レースでランキングが及ばなかった桃田。五輪に出る仲間の選手に対しては、「(自身は東京五輪で)いつも通りのことをいつも通り発揮することの難しさを痛感した。一発勝負なので、結果を考えることなく、悔いのないように出し切ってほしい」とエールを送った。

【翻訳編集】AFPBB News

■関連記事
バド世界ランク1位桃田、マレーシアで交通事故に巻き込まれ負傷
桃田が交通事故で鼻骨骨折、現地スポーツ相も見舞う 「本当に悲劇」
桃田が圧巻の逆転勝ち 日本を4強に導く アジア団体選手権