2023年のヒットグルメの筆頭に「インスパイアおにぎり」がありましたが、おにぎり自体のトレンドは俄然拡大中。詳しくは「山崎、白州のハイボール缶以外には何があった?2023年のグルメとお酒で話題を席巻した5つのキーワード」の記事に書きましたが、2024年度後期の連続テレビ小説は橋本環奈さん主演の「おむすび」で決定しており、話題は続くでしょう。

 

そんなおにぎりのタッチポイントといえばコンビニですが、(おにぎりではなく)おむすびという名称に長年こだわってきたのがファミリーマート。先日もユニークな商品を発売したので、試食会に参加して特徴や味わいをレポートしたいと思います。

↑題して「ファミマル おむすび 対決」。正統派と個性派、それぞれのおむすびを発売し、フォロー&ハッシュタグ投稿キャンペーンで盛り上げます

 

5000円ぶんのQUOカードが当たるかも!のおむすびチャンス

発売されるのは4種のおむすびで、全国のファミリーマート約1万6300店で順次発売。第1弾が2024年4月9日から、第2弾が4月16日から登場します。なお、それぞれ目安の販売期間は3週間とのこと。

↑4月9日は「山形屋海苔店海苔監修 手巻鮭マヨネーズ」と「どん兵衛天ぷらむすび」が。16日からは「山形屋海苔店海苔監修 手巻だし玉子明太」と「U.F.O.ぶっ濃い濃厚そばめし」が発売されます

 

ユニークな点は正統派と個性派にわかれ、対象となる4商品の選択肢からハッシュタグを選び投稿すること(ファミリーマート公式Xアカウントのフォローが必要)。後日、応募者のなかから抽選で10名に「オリジナルQUOカード5000円ぶん」がプレゼントされます。

↑公式サイトより

 

おむすび4種の特徴や開発秘話

正統派は、老舗海苔店が監修したのりを使った贅沢なおむすび。個性派は、日清食品のロングセラーとコラボレーションした味わいになっているのも特徴。1品ずつ紹介しましょう。まずは4月9日発売ぶんから。

↑「山形屋海苔店海苔監修 手巻鮭マヨネーズ」税込180円。山形屋海苔店監修ののりにマッチする、鮭マヨネーズのおむすびで、魚介×野菜のダシとコク深いマヨネーズが特徴です

 

なお、山形屋海苔店は江戸時代の明和元年(1764年)に日本橋で創業した老舗。のりの色ツヤ、味や口どけのよさを匠の技術で選別する高品質な商品が長年愛され続けています。試食会では「深刻な原料不足が続く海苔業界に、少しでも明るい話題を届けられればという想いから、今回のお話を引き受けさせていただきました(一部割愛)」と代表からの直筆メッセージが寄せられました。

↑「どん兵衛天ぷらむすび」税込178円。「日清のどん兵衛」のダシが香るご飯に、玉ねぎの甘みと小海老の風味がポイントの天ぷらがトッピングされています

 

この天むすは、東西で味わいを変えているのもポイント。東日本は宗田がつおとかつお節のWダシでコクと旨みを感じる仕立てに。西日本はかつおと昆布のWダシで上品な旨みが後引く味わいとなっています。ちなみに東西の境界線は愛知〜三重県(三重県の一部では両方販売される希少な店舗も)。

↑「山形屋海苔店海苔監修 手巻だし玉子明太」税込189円。のりの美味しさはもちろん、食感の異なる2種類の辛子明太子のアクセントと炒り玉子のコクが絶妙にマッチ

 

この手巻だし玉子明太は、ファミリーマートが事前に「美味しいのりで巻いたおむすびに合う具材は?」といったアンケートで上位にランクした具材だったのだとか。

↑「U.F.O.ぶっ濃い濃厚そばめし」税込160円。「日清焼そばU.F.O.」自慢の「ぶっ濃い濃厚ソース」を再現するため、オリジナルの香味オイルを活用したクセになる味が魅力です

 

「U.F.O.ぶっ濃い濃厚そばめし」は、2023年の春に発売した「U.F.O.濃い濃い濃厚そばめし」の復活商品(名称のみ変更)。前回好評だったことに加え、そのときは「日清のどん兵衛 きつねうどん」をフィーチャーした「どんぎつねむすび」だったことから、今回は「日清のどん兵衛 天ぷらそば」の味を再現した前述の「どん兵衛天ぷらむすび」を商品化するに至ったそうです。

 

老舗監修のりの味や天むすの東西の違いを深掘り

そのうえで、筆者が味で気になったのは2点。ひとつは、山形屋海苔店監修ののりと、通常ののりでは味がどれだけ違うのかということ。近しい味わいのおむすびと食べ比べました。

↑左は定番の「手巻 紅しゃけ」。右が特別なのりを使った老舗のりコラボです

 

2商品を並べて「おっ」と思ったのは、価格が一緒であること。ファミリーマートの開発担当者に聞いたところ、やはり山形屋海苔店監修のりのほうがコストはかかっているとのことですが、おむすびの価格は企業努力で高くならないように頑張ったそうです。これはありがたい!

↑色はほぼ一緒。ただ、香りからして山形屋海苔店監修のりのほうが凛々しい風味がしました

 

さすがは匠が認めたのり。監修版はより磯のダイナミック感があり、例えるなら海との距離が近いイメージ。味も濃く「これぞTHEのり」的な、堂々とした主張を感じました。

↑もうひとつ気になった点は、「どん兵衛天ぷらむすび」の東西で変わる味の違い。食べ比べて明らかにしました

 

なるほど! 東の「どん兵衛天ぷらむすび」は、かつおダシの旨みとともに醤油感がシャープさを引き立て、甘じょっぱさを感じる味わい。一方西の「どん兵衛天ぷらむすび」はダシ感がやわらかく、旨みの余韻もふわっと広がります。味の濃さは同じながら、ダシの表情が違うことを実感できました。

↑味にインパクトがあるのは、やはり「U.F.O.ぶっ濃い濃厚そばめし」。甘辛くスパイシーなソースがご飯と麺の両方にしっかり染みており、ジャンクなヤミツキ感がウマいです

 

ファミリーマートとしても2023年よりおむすびが好調な売り上げであることを実感しており、今回のキャンペーンは昨春の10%増を目標にしているとか。前述した通り、やはりおむすびはアツいようです。同社としてはゴールデンウィーク以降もきっとおむすび企画を打ち出すはずで、今後も目が離せません!