1970年“大阪万博”を描くドラマ『万博の太陽』に23歳人気インフルエンサーが魅せられた!「学校で見せるべき」
1970(昭和45)年に開催された日本万国博覧会(大阪万博 EXPO’70)。
「人類の進歩と調和」をテーマに、当時史上最多の76カ国(その他4国際機構、1政庁、6州、3都市、2企業)が参加し、入場者数は国民の6割に相当する約6422万人を記録。空前絶後の熱気を生み、日本の高度経済成長を象徴する国民的イベントとなった。
3月24日(日)に放送されるテレビ朝日開局65周年記念 ドラマプレミアム『万博の太陽』は、そんな一大祭典で働くことを夢見たヒロインの青春と、その家族の物語を心温まるタッチで描き上げるヒューマン・ホームドラマ。
脚本は中園ミホが務め、主演・橋本環奈をはじめ飯豊まりえ、木戸大聖、江口のりこ、唐沢寿明ら豪華キャストが勢揃いする。
「ドラマを観て、たくさんの方々の努力でつくられていくのが万博なんだ、ということを知ることができました。万博をつくり上げる裏側の人たちの熱意がすごく伝わって…。1人1人が万博のために努力して、挫折も繰り返して当時の万博は出来上がったのだなと思わせてもらえました。すごく面白くて、もう見入ってしまいましたね」
放送より一足先にドラマを観てこのように話すのは、2000年生まれの23歳でありながら昭和カルチャーを愛し、“ネオ昭和”をコンセプトにファッションやカルチャーを発信する人気インフルエンサー・阪田マリンさん。
1970年の、そして2025年開催の万博の舞台である大阪府の生まれでもある彼女に、ドラマ『万博の太陽』の魅力や感想を語ってもらった。
◆“SNSがない時代”だからこその物語
時は1968年。
本作の主人公・朝野今日子(橋本環奈)は東京の下町で育ち、高校卒業後は家業を手伝っていたものの、好奇心旺盛で猪突猛進な性格の彼女の頭の中は、2年後に大阪で開催される万国博覧会のことでいっぱい。
1964年の東京オリンピックで感動した日々を忘れられず、大阪万博への期待に胸を高鳴らせていたのだ。
そして彼女は、大阪に住む伯父・万田昭太朗(唐沢寿明)の工場が人手不足で困っているという話を聞き、ついに大阪に旅立つことを決意する。
そんな主人公・朝野今日子に思いを馳せ、阪田さんは次のように話す。
阪田:「今とは違って、あの時代に東京から大阪に行って移り住むというのは、簡単なことではないと思うんです。でも、やっぱりそこまでしてでも万博に触れたいっていう主人公の気持ちに心打たれました」
そして阪田さんがキーワードとして挙げたのは、「SNSがない時代」の物語だということ。
阪田:「SNSがない時代だから、万博を見たければ直接行って見るしかないし、人間関係でも会って話すことが大事になりますよね。
このドラマは、すごくたくさん会話があるんですよ。もちろん、登場人物がスマホを見るシーンもないですし(笑)。
家族に謝るときには、直接相手のところまで行って“ごめんなさい”って謝る。今だったらスマホで“ごめん”って連絡もできちゃうと思うんですけど、ちゃんと直接頭を下げてっていうのがやっぱりいいなと思いましたし、そういう人間関係にジーンときて…。ドラマを観て、そういうことを大事にしていきたいと感じました。
唐沢寿明さん演じる伯父さんも“雷親父”で、よく怒るけど、ただ怒ってるだけじゃなくて、愛もあるから怒るんですよね。相手(家族)のことがどうでもよかったらあんな怒らないですし、本当に家族が大好きだからこそだと思います。そういうところも素敵でした。
伯父さんが今日子のために“直談判”しに行くところも、やっぱり当時ならでは、SNSがない時代の発想だなと思いました」
また阪田さんは、飯豊まりえ演じる今日子の従妹・万田千夏にも深く共感したという。
大阪の女子大に通い、勉強が好きでもっと学びたいと思いつつも、卒業後は父が決めた見合い相手と結婚するものとあきらめていた千夏。そんなとき今日子が万田家に現れてその情熱に感化され、彼女も大阪万博にコンパニオンとしてかかわっていくことになる。
阪田:「千夏は、本当は自分の感情や思っていることを出したいのに、あんまり出せずにいる。恋愛面にしても、ちょっと強がっちゃうところがあって。私も少しそういうところがあるので、“ああ、わかるわかる”って思いました。
でも、最後にはしっかりと自分の意見を言って、自分の夢をしっかり持ち続けてる。その芯の強さがすごくかっこいいなと感じました」
◆昭和レトロなアイテムの数々、そして万博展示の再現度
そして、昭和カルチャーを愛する阪田さんはやはり、劇中に登場する“昭和”にも魅せられたよう。
阪田:「ドラマの中にはレトロな家具とか家電があふれてて、やっぱり昭和好きでレトロマニアの私としては、途中で出てきた『セブンティーン』の雑誌であったり、黒電話であったり、水筒とかお弁当箱のデザインや形に見入ってしまいましたね。
あと、ピンク電話(公衆電話)のシーンが私はすごくジーンときまして…。千夏(飯豊まりえ)と鉄平(木戸大聖)が電話するんですけど、10円玉を何度も入れて、それでも10円玉が足りなくなって切れちゃうっていうのが切なくて…。70年代ならではなのかなと思いました。当時の恋愛のリアリティを再現していて、すごく良かったなって」
同ドラマのプロデューサー・神田エミイ亜希子によれば、「揃えるのがすごく大変だった」という本作に登場する昭和のアイテムの数々。大きいブラウン管のテレビ、当時最新だったツードア式の冷蔵庫、そして電話…。阪田さんも大いに楽しんだという小道具や美術にも注目だ。
さらに、こちらも神田プロデューサーが「撮影のためにつくりましたが、すごく大変でした」と振り返るのが、劇中に登場する“人間洗濯機”。
人間洗濯機とは、カプセルの中に入ると自動で身体を洗ってくれる装置で、1970年の万博当時、この展示には多くの人々が詰めかけた。
阪田:「1970年の万博はまだ私が生まれていないので、経験したことはもちろんないんですけど、このドラマを見ると、当時どんなパビリオンがあったのか知ることができましたし、特にあの人間洗濯機! あれにはすごく驚きました。あれは入ってみたかったですね(笑)。
1970年を経験したことない私たちの世代は、万博ってこういうものだったんだって学ぶこともできるので、このドラマは学校で見せるべきですね。約50年の時を経て、2025年の万博が1970年の万博と比べてどう進化しているのか、そこもますます楽しみになりました。
今はSNSがある時代だから、2025年の万博についても誰かが拡散するとは思うんですけど、それで見た気になって足を運ばないのではなく、やっぱり1人1人の熱意とか情熱がこもっている大阪万博にちゃんと足を運んで、その熱量を感じたいです」