水谷豊、『相棒』シリーズで実現したい“個人的な目標”「杉下右京の最後は…」
再会2年目となる“伝説のコンビ”、杉下右京(水谷豊)×亀山薫(寺脇康文)の新たな挑戦を描いてきた『相棒 season22』。
3月13日(水)に最終回拡大スペシャル「トレードオフ」が放送され、今シーズンも好評のうちに幕を閉じた。
そうしたなか、TELASAではオリジナルドラマ『相棒 sideA/sideB』が3月20日(水)ひる12時より配信スタート。
テレ朝POSTでは、初の長尺オリジナルドラマの配信を記念し、水谷豊と寺脇康文にインタビューを実施。
前後編インタビューの後編では、オリジナルドラマの魅力のほか、今後『相棒』シリーズで実現したいことまで語ってもらった(前編はこちら)。
◆「何度も見返すおもしろさがある」
シリーズ史上初となる長尺オリジナルドラマ『相棒 sideA/sideB』には、“相棒ワールド”を熟知するおなじみのキャスト&スタッフが集結。
ドラマ本編と同じく本格ミステリーに仕上がっているが、配信ならではの“仕掛け”も用意されている。
オリジナルドラマの魅力について、水谷と寺脇が語る。
水谷:「基本はドラマ本編と同じですけれども、やはり地上波ではやれないようなことを今回TELASAではやっています」
寺脇:「TELASAではやや劇画っぽいイメージがありますね。活劇に近いというか、フィクションとしてのエンタメ感がもう少しあるのかなと。地上波がリアルに寄っているとするなら、もっと外してもいいかなという世界に持っていっている感じです。
あとおもしろいと思ったのは、今回、右京さんサイド(「sideA」)と薫サイド(「sideB」)の2つの動画があって、まずは別々に配信するんですね。それで右京さんサイドの動画では、たとえば右京さんが薫に電話をしてるときに、薫の声は入っていないんです。だから『薫は何を話していたんだろう?』と気になると思うんですが、薫サイドの動画を見ると、『あ、薫はこういうことを喋っていたのか』とわかる仕掛けになっている。
あとは右京さんサイドでチラッと薫が走っている姿が映るんですが、『なんで走っていたんだろう?』という答えが、薫サイドを見るとわかる。そういう、何度も見返すおもしろさがあるドラマになってます」
水谷:「こういう方式、初めてですよ。おもしろいアイデアだなと思いますね」
◆「もう1回ロンドンに行って撮影したい」
今年で24周年を迎えた『相棒』。これまで放送されたエピソード数は400本を超えており、まさに日本屈指の国民的長寿ドラマのひとつと言っていいだろう。
水谷と寺脇は、『相棒』シリーズを通じて今後どのようなことを実現したいと考えているのだろうか。
水谷:「もう『相棒』シリーズはここまで来ていますからね。これからのことはプロデューサーをはじめとした皆さんが色々と考えてくれるでしょう(笑)」
寺脇:「これだけ続いたものをどう終わらせるかというのは、これは大変な難しい問題になってくる。大事なところですからね。“美和子スペシャル”で終わるわけにはいかないだろうし(笑)」
水谷:「『相棒』は出演している我々もそうですけれども、どうなるか予測がつかないんですよ。だから我々にとっても楽しみなところがある。見てくださっているみなさんも、最後まで楽しみにしてもらいたいですね」
寺脇:「こんなに毎回、世界観が違うドラマってなかなかないですもんね」
水谷:「やはりこれだけ色々な世界を描けるというのは『相棒』ならではかなと思いますよ」
一方、個人的な“目標”はあるようだ。
水谷:「個人的に『相棒』でやりたいことがあるとしたらね、右京という人物を考えた場合に、一度だけ撮影でロンドンに行っているんですよ。season2の第1話です。一時的に特命係がなくなって、ロンドンで生活していたのですけど、それを実際にロンドンで映していて。
ですが本当は、season22までの間にも右京は何度かロンドンに行っているはずなんですよ。ドラマの中でそれを映していないだけで、裏設定としては行っている。ロンドンに行って帰ってきたと言うこともありますからね。だからそういう設定があるわけですし、僕としてももう1回ロンドンに行って撮影したいなと思いますね」
寺脇:「それ、自分も一緒に行っていいんですか?(笑)」
水谷:「いや、その場合は亀山くんをどうしようかと僕も思ってて(笑)」
寺脇:「やっぱりロンドンの右京さんの世界観を壊したくはないから、日本で留守番がいいんですかね」
水谷:「まあでも亀山くんがロンドンにいたって壊れはしませんよ。そんな簡単に壊れるような世界観ではないから大丈夫。そのときは一緒に行きたいね。
とにかく、ずっと思っているんです。右京がロンドンで生活をしていることを。だからおそらく、最後はロンドンに帰ってしまうんじゃないでしょうか。右京としても警察官の仕事を辞めたら、最後はロンドンで生活しようと思っているんじゃないかな。旅行したり、本を読んだり音楽を聴いたりしながら、旧交を温めたりもするんでしょうね」
寺脇:「じゃあ俺は新潟に帰って造り酒屋を継ごうかな!」
水谷:「それもいいじゃないですか!」