現在、毎週月曜夜9時に放送中の『君が心をくれたから』は、長崎を舞台にした、切ないラブファンタジードラマ。主人公・逢原 雨(永野芽郁)が愛する男性・朝野太陽を、山田裕貴さんが演じています。

山田裕貴さん「演じる太陽は、僕自身の人間力も試される役」

「このドラマは、当たり前だと思っていることが、じつはとても幸せなんだということを見つめ直しましょうと問いかけている作品だと思います。皆が心健やかに生きるためには、表面的に物事を判断せず、相手の気持ちを考えながら、自分の心も大事にしないといけないなと、最近よく考えるようになりました。他人を思いやる気持ちが欠落しがちな今の世の中で、観た人たちの心に、少しでも温かい輪が広がっていけばいいなと思います」

事故に遭った太陽の命を救うために、雨は自分の“五感”を差し出すという過酷な宿命を背負うことになり…。

「太陽は雲にかげるときもあれば、出てこないときもありますよね。僕は雨ちゃんに対して、すごく繊細に接しないといけないので、“太陽”という名前だからといって、ずっとピーカンな態度でいるのはイヤだと思っています。夏の太陽のような暑さ、秋の太陽のような優しさ、そして『日差しがあってよかった』と思われる冬の太陽のような暖かさ。いろいろな顔をもっている太陽でいたいと思いながら、演じています」

太陽は生まれ変わった理想の僕

高校時代から一途に雨のことを思い続けている太陽ですが、雨が自分の命を救うために、味覚、嗅覚、触覚…と五感を1つずつ失っていく恐怖や悲しみと闘っているとは夢にも思っていませんでした。しかし、だんだんと雨の身に起きている残酷な事実に気づき始めて…。

「雨ちゃんが自分の五感を差し出すほど好きな太陽だから、皆から絶対にいい人だと思われないといけないと思うんです。悲しむところでは悲しむけれど、雨ちゃんの前では悲しくても笑っていられる強さがないと成立しない。太陽は生まれ変わった理想の僕なので、演技力はもちろん、僕自身の人間力も試されると思っています」

その分、「自分自身を見つめ、役を愛さなければ演じることができない」と山田さんは言います。そんな太陽の複雑な感情を表現するのは、とても難しいそう。

「たとえば、雨ちゃんの前で太陽は泣くのか。自分のせいで雨ちゃんの五感が失われていくことを知ったとき、どういう表情をするのか。すべては実際に演じてみないとわからないです。計算ができないので、僕の心のままで役にぶつかるしかないと思っています」

味覚や嗅覚、触覚とともに、パティシエになる夢や、太陽との思い出も失っていく雨。そして、そんな雨を見守る太陽。真逆の名前をもつ2人と、2人を愛する人々の切なくも心温まる物語に、日本じゅうが温かい涙に包まれています。