年々、俳優としての存在感を増す岡田将生さんが、冷酷な殺人犯に挑んだクライム・エンターテインメント映画『ゴールド・ボーイ』。30代となって変化してきた作品との向き合い方について伺いました。最後に岡田さんのチェキプレゼントのお知らせがあるので、お見逃しなく!

岡田将生さんインタビュー。「子どもたちの輝きを多くの人に見てほしい」

「この物語の主人公は子どもたち。彼らの輝きをたくさんの人に見てほしくて、いつものようにがむしゃらに自分の役と向き合うのではなく、作品を俯瞰(ふかん)して見るように意識しました」

【写真】優しく微笑む岡田将生さん

これまでとは違う意識で、岡田将生さんが撮影に臨んだという映画『ゴールド・ボーイ』。原作は中国の作家・紫金陳(ズー・ジンチェン)氏の小説で、ドラマ版は日本でも『バッド・キッズ 隠秘之罪』の邦題で放映され話題に。

岡田さんが演じるのは、義両親を殺害した東 昇(ひがし・のぼる)。犯行現場を目撃していた中学生の朝陽たちが、大金を手に入れようと東昇を脅迫したことから、両者の頭脳戦が始まります。

先輩から教わった映画との向き合い方

緊張感をもって対峙(たいじ)するため、岡田さんはあえて、朝陽を演じた羽村仁成さんらと距離を取るようにしていたそう。

「クランクアップの直前まで、ほとんど話してなくて。なぜかというと、僕が若いときもそういう現場があったんです。当時は『この先輩はひと言もしゃべってくれないし、嫌われてるんだな』と思っていて。でも先輩は作品にいい影響を与えるためにそういうアプローチを取ってくださっていたんです。

その当時は、そうやって作品との向き合い方を先輩から教わってきたので、自分にもそのターンが回ってきたんだな、と。同時に彼らに映画の現場を好きになってほしいという思いもありました」

岡田さんが演じているときに意識していること

冷酷な殺人犯である東を演じるために、意識したのは「目」。

「取材を受けるときのためにも、役をつくるに当たっての話を言語化して説明できた方がいいんですけど…。わりと感覚的なものなので、言葉にしてこうだ、とはなかなか言えなくて。でもどの作品でも、『こういう風にしよう』というのは、台本を読んでいるときから考えています。今回、完成したものを見て、『こんな目をしてたんだ』と自分でもびっくりしました」

今世界でなにが起きているか、考えるきっかけになった

非道な悪役を演じることで、精神的な消耗はあったものの、ロケ地となった沖縄の空気感にも助けられたそう。

「気持ちが苦しくなりそうなときも、自然に囲まれると少しずつ解放的になれて、うまく気持ちを切り替えられました。沖縄のごはんもおいしかったですし、朝起きると海が見えて、気持ちよく撮影現場に行けたこともプラスに働きましたね」

本作はスリリングなエンターテインメント作品ではあるものの、「観る人へのメッセージも込められている」と岡田さん。

「東と朝陽が、なぜこういう人になってしまったのか。観たあとに隣にいる人や友人と話し合える映画になったんじゃないかと思います。僕自身も社会に対してより敏感になるというか、今世界でなにが起きているか、考えるきっかけになりました」