アジアカップが終わり、ここからは日本代表選手の多くがプレーしている欧州サッカーから目が離せない。期待の三笘薫、久保建英ら、日本人所属の注目クラブの最新主要フォーメーションと現状を紹介する。

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リバプール(イングランド)
【4−1−2−3】
FW:ルベン・ディアス、ダルウィン・ヌニェス(ディオゴ・ジョタ)、コーディ・ガクポ(モハメド・サラー) 
MF:カーティス・ジョーンズ(ライアン・フラーフェンベルフ)、ハーベイ・エリオット(ドミニク・ソボスライ) 
MF:アレクシス・マック・アリスター(遠藤航) 
DF:ジョー・ゴメス(アンドリュー・ロバートソン)、フィルジル・ファン・ダイク(ジャレル・クアンサー)、イブラヒマ・コナテ、トレント・アレクサンダー=アーノルド(コナー・ブラッドリー) 
GK:アリソン(カオイムヒン・ケレハー)

 プレミアリーグの首位で新年を迎えたリバプールに激震が走ったのは1月26日。2015年10月に就任してから名門を完全に復活させ、プレミアリーグやチャンピオンズリーグのタイトルをもたらしてきたユルゲン・クロップ監督が、今季限りで退任することを発表したのだ。

 名将の花道を3シーズンぶりのリーグ優勝で飾りたいところだが、直近の大一番となったアーセナル戦に敗れ、優勝争いは混沌としてきた。またモハメド・サラーをはじめ多くの負傷者を抱え、特に最終ラインはやりくりが必要。

 攻撃時にトレント・アレクサンダー=アーノルドが中央に入って3−2−2−3となることの多いチームは、レフトバック(守備時は左センターバック)にジョー・ゴメスを置いたほうが安定するとはいえ、バックアップが心もとない。

アーセナル(イングランド)
【4−1−2−3】
FW:ガブリエウ・マルティネッリ(レアンドロ・トロサール)、ガブリエウ・ジェズス(エドワード・エンケティア)、ブカヨ・サカ(リース・ネルソン) 
MF:カイ・ハヴァーツ(エミール・スミス=ロウ)、マルティン・ウーデゴール 
MF:デクラン・ライス(ジョルジーニョ) 
DF:オレクサンドル・ジンチェンコ(ヤクブ・キビウォル)、ガブリエウ・マガリャンイス、ウィリアン・サリバ、ベン・ホワイト(冨安健洋) 
GK:ダビド・ラヤ(アーロン・ラムズデール)

 悲願の20年ぶりのプレミアリーグ優勝を狙うチームはしかし、昨年末の3試合を1分2敗と白星ゼロで終え、4位で新年を迎えた。

 それでも開幕前に積極的に戦力を補強したこともあり、冬の移籍市場を静観。年が明けてから連勝し、2月5日のリバプール戦では、中盤を普段の逆三角形から正三角形、つまり守備的MFを2枚並べて快勝している。

 アジアカップで思わぬ早期敗退を強いられた日本代表の冨安健洋が戻ってきたことは、指揮を執り始めて5年目に突入したミケル・アルテタ監督にも朗報に違いない。

ブライトン(イングランド)
【4−2−3−1】
FW:エバン・ファーガソン(ダニー・ウェルベック) 
MF:三笘薫(ジョアン・ペドロ)、アダム・ララーナ(アンス・ファティ)、ファクンド・ブオナノッテ(サイモン・アディングラ) 
MF:ビリー・ギルモア(カルロス・バレバ)、パスカル・グロス(ジェームズ・ミルンー) 
DF:ペルビス・エストゥピニャン(イゴール)、ルイス・ダンク(アダム・ウェブスター)、ヤンポール・ファン・ヘッケ(ヨエル・フェルトマン)、タリク・ランプテイ(ジャック・ヒンシェルウッド) 
GK:ジェイソン・スティール(バート・フェルブルッヘン)

 今季も序盤戦は超攻撃的なスタイルで白星を重ねていたが、クラブ史上初のヨーロッパリーグ(EL)が始まると、二足の草鞋に苦しみ始めた。ELグループBは首位で突破したものの、プレミアリーグでは秋に6試合連続未勝利。

 ソリー・マーチやフリオ・エンシーソら、主力が負傷したうえ、三笘薫やアディングラが代表の活動で離脱したこともあり、最近は3バックを用いることも。三笘がチーム復帰後はどうなっていくか注目だ。

レアル・ソシエダ(スペイン)
【4−1−2−3】
FW:アンデル・バレネチェア(ミケル・オヤルサバル)、ウマル・サディク(アンドレ・シウバ)、久保建英(シェラルド・ベッカー) 
MF:ミケル・メリーノ(ベニャト・トゥリエンテス)、ブライス・メンデス(アルセン・ザハリャン) 
MF:マルティン・スビメンディ(ジョン・アンデル・オラサガスティ) 
DF:ハビ・ガラン(キーラン・ティアニー)、ロビン・ル・ノルマン(ジョン・パチェコ)、イゴール・スベルディア(アリツ・エルストンド)、アマリ・トラオレ(アルバロ・オドリオソラ) 
GK:アレックス・レミロ(ウナイ・マレロ)

 10シーズンぶりのCL本戦で、インテル、ベンフィカ、ザルツブルクというこの大会の常連と同居しながら、クラブ史上初の首位通過を遂げた。しかしその二足の草鞋の弊害か、ミケル・オヤルサバルやキーラン・ティアニー、アルバロ・オドリオソラら、複数のレギュラーが負傷離脱している。

 昨季チーム得点王のアレクサンドル・セルロート(ビジャレアル)が抜けた穴も大きく、ラ・リーガでは第24節終了時で、首位レアル・マドリードに勝ち点24差の7位。

 久保建英がアジアカップから戻ってきたとはいえ、パリ・サンジェルマンとのCLラウンド16でも、苦戦は免れないか。

ラツィオ(イタリア)
【4−1−2−3】
FW:フェリペ・アンデルソン(マッティア・ザッカーニ)、バレンティン・カステジャーノス(チーロ・インモービレ)、グスタフ・イサクセン(ペドロ・ゴンサレス) 
MF:ルイス・アルベルト(マティアス・ベシーノ)、マテオ・ゲンドゥージ(鎌田大地) 
MF:ニコロ・ロヴェッラ(ダニーロ・カタルディ) 
DF:アダム・マルシッチ(ルカ・ペッレグリーニ)、アレッシオ・ロマニョーリ(ニコロ・カザーレ)、マリオ・ヒラ(パトリック)、マヌエル・ラッザリ(エルセイド・ヒサイ) 
GK:イバン・プロベデル(クリストス・マンダス)

 鎌田大地は筆者とのインタビューで、今季からラツィオを新天地に選んだ理由のひとつに、戦術家マウリツィオ・サッリ監督の存在を挙げた。ところが半年ほどの間に、両者の関係は冷えきってしまったのかもしれない。

 セリエA開幕から4試合連続で先発し、昨季王者ナポリ戦で決勝点を奪い、名門ユベントス戦ではアシストを記録したものの、なぜか翌節から出番が減っていった。招集されなかったアジアカップ期間中に、指揮官との相互理解を深めたかったはずだが、逆にすべての試合でベンチを温めることに。

 ドイツ時代にバイエルン戦の勝利の原動力になったこともある鎌田だが、今季の16強での対戦時には、ピッチに立てているかもわからない。

(今季CL優勝候補で見逃せない選手、注目クラブの最新布陣は?>>)