2024年1月31日、NVIDIAはグラフィックス製品の改良版バリアントとして、「GeForce RTX 4080 SUPER」の性能レビューについて解禁しました。1月は2週目から毎週レビュー解禁が行われており、これまでにマイナビニュースでもすでに3モデルを紹介済み。

「GeForce RTX 4070 SUPER」を10種類以上のベンチで徹底レビュー。ほとんど“低消費電力版”RTX 4070 Tihttps://news.mynavi.jp/article/20240117-2864692/

「GeForce RTX 4070 Ti SUPER」レビュー! 消費電力据え置き・VRAM超増強でアッパーミドルGPUの大本命になるかhttps://news.mynavi.jp/article/20240123-2868682/

「GeForce RTX 4080 SUPER」の実力は? 性能はほぼ変わらず、事実上の“値下げ版”RTX 4080となるかhttps://news.mynavi.jp/article/20240131-2874164/

これらの機材はNVIDIAから短期的に貸与されたものですが、今回編集部の評価機材としてPalitから「Palit GeForce RTX 4080 SUPER JetStream OC」の提供を受けました。詳細な性能計測は『「GeForce RTX 4080 SUPER」の実力は? 性能はほぼ変わらず、事実上の“値下げ版”RTX 4080となるか』に譲りまして、ここでは今回お借りしたPlait製オリジナルファン搭載モデルについて紹介しようと思います。

逆に全く光らない「Palit GeForce RTX 4080 SUPER JetStream OC」レビュー - 電源コネクタ部の改良が嬉しい

打って変わって超地味なファンカバー。電飾は完全に非搭載

Palit製グラフィックスカードといえば「GameRock」シリーズに代表されるように、超絶ド派手な電飾機能が印象的。RTX 40シリーズの投入ではRTX 30シリーズ時よりも光量が大幅に増加しており、もはやファンカバー部が全面発光する強烈な明るさを実現していました。

「GeForce RTX 4080 GameRock」の様子。ファンカバー部には全面キラキラのクリアパーツがあしらわれており、1680万色で輝くLEDの光を美しく拡散させてくれます

一方、自作PC愛好家には“全く光らない”パーツを選定するユーザーもたくさん存在しており、Palitもこれを無視するわけにはいかないと判断。JetStreamシリーズを立ち上げ、完全に光らない質実剛健なモデルを展開しています。今回レビューするのもこのシリーズです。

パッケージの様子からすでにだいぶ地味です

パカリと開封。中箱の大きい面ががばりと開くタイプで取り出しやすいです

内箱の緩衝材を取り除いたところ。本体は帯電防止袋に収められています

付属品は12VHPWRコネクタの変換ケーブルのみ

GameRockシリーズには付属品として変換ケーブルのほか、カードのゆがみを防止するサポートスタンドも付属していましたが、JetStreamシリーズには同梱されていない模様。最近はマザーボードやケースの付属品として利用できることもあるので、不要といえば不要かもしれません。もちろん、ない場合は別途用意したほうがベターです。

箱から取り出したところ。黒くて地味です

ファンをアップで見た様子。独自の「Gale Hunter Fan」採用で優れた冷却性能と低騒音を実現するとのこと

バックプレートを見たところ。カード長のうちPCB部はかなり短いです

スルーホールが大きく設けられており、エアフローを上に通します

ヒートシンクにはヒートパイプが4本通っています

コネクタの様子。カード側に奥まったところに設けられています

GeForce RTX 4080 GameRockのレビューを見返してみると、基板はGeForce RTX 4080 GameRockとは違うものが新しく採用されているようで、さらにカード長(PCB部)が短縮されています。また、電源コネクタの配慮も見どころ。コネクタを製品側に食い込ませるように配置したことで、硬いケーブルを曲げる余地を確保。ケースににも無理なく入りそうです。

後端部。スロットからの張り出しがだいぶ減っています

端子部。DisplayPort×3、HDMI×1の構成を従来モデルから継承

重さは実測で1,472gでした

電飾の排除とは別に、JetStreamシリーズのファンカバーは全面プラスチックである点にも言及が必要でしょう。高級感はあまりなく、軽量化に極振り。バックプレートは金属製のようですが、GameRockシリーズのような高級感漂うクローム仕上げではありません。全く中が見えないケースを採用する場合にはちょうどよいオミット。魅せたい場合はGameRock、縁の下にしまい込みたい場合はJetStreamを採用すればよいでしょう。

高負荷時の動作の様子は?

外観を眺めたところで、動作についてもご紹介。詳細な性能は『「GeForce RTX 4080 SUPER」の実力は? 性能はほぼ変わらず、事実上の“値下げ版”RTX 4080となるか』で紹介しているので、ここでは高い負荷をかけて動作の様子についてみてみました。

















高負荷時の動作も至って安定。FF14ベンチのような軽い負荷ではクロックが2,820MHzに達しており、OCモデルとして高い動作クロックを実現していることも確認できました。

ちなみにNVIDIAは初出時、GeForce RTX 4080 SUPERの性能について、前世代の「GeForce RTX 3080 Ti比で約2倍」という表現を使用していましたが、今回のレビューにおけるガイダンスで「GeForce RTX 4080比で最大3%高速」という表現を新しく用いています。

CUDAコアが9,728個から10,240個に5%くらい増えただけなので、上昇幅としては他のSUPERシリーズよりやや微妙なところ。999ドル(日本円では162,800円)という新価格がアピールポイントですが、実勢価格がどうなるかが焦点になりそうです。

OCCTの様子。電力消費は大きくなる一方、そんなに熱くなりません

クロックは最大2,820MHzあたりまで高まっていました