コロナ禍を経て息を吹き返した外食トレンドからも目が離せない! 今回はフードライター中山秀明さんと「GetNavi」フード担当・鈴木翔子さんに「上京ご当地焼き肉」「本格中東料理」について聞いてみた。

※こちらは「GetNavi」 2024年2・3月合併号に掲載された記事を再編集したものです

 

■フードライター中山秀明さん
食のトレンドに詳しいフードアナリスト。個人的には「お手ごろうなぎチェーン」が特に激アツだと豪語する。

 

■「GetNavi」フード担当・鈴木翔子

本誌のフードを5年以上担当。酒好きが高じ、しばしばバーでも働いており、酒トレンドに詳しい。

 

コロナ明けの外食需要を狙い地方の焼肉店が勇んで上京「上京ご当地焼肉」

外食はコロナ禍で特に苦しかった業界だが、明けてからいくつか顕著な動きが見られる。そのひとつが、地方を拠点とする焼肉店の東京進出だ。理由はいくつかあるが、焼肉はハレの日向けの食事であったり、換気性に優れていたりとコロナ渦でも比較的ニーズが高く、起死回生する体力があった。そのうえで、国内最多の人口を誇る東京で勝負に出たと考えられる。

 

各店、郷土色の強い焼肉メニューが豊富なことも特徴で、東京にいながらにして現地の味を楽しめるのは楽しい。焼肉を通じて旅行気分を味わってみては!

 

近江の和牛とご飯が名物“三方よし”の絶品焼肉

近江牛焼肉 すだく

2019年に滋賀で誕生。現在東京には4店舗を構え、そのうち月島店は11月29日に開業したばかり。滋賀ブランドの近江牛は契約牧場直送で、さらに契約農家から届く近江米の炊きたてご飯も名物だ。

↑「厳選!近江牛カルビ(左)」(1129円)「近江牛赤身(右)」(990円)。この2品は特に人気が高い

 

ピリ辛しょうゆダレの豚ホルモンで上京を狙う

秩父ホルモン酒場
まる助

2013年に埼玉の秩父で創業。県内に12店舗を展開し、現在は東京での出店物件を探している。地元で親しまれているピリ辛しょうゆダレの豚ホルモンが名物で、秩父や埼玉のご当地料理と地酒も豊富。

↑ホルモンは単品440円〜

 

【ヒットアナリティクス】プチ贅沢需要に焼肉がハマッた!

「ヒット要因のひとつに、『たまにはご馳走を!』というプチ贅沢需要に焼肉がハマッた側面があります。ほかに愛知の『煙力』、大阪の『龍の巣』と『こじま』、京都の『ホルモン千葉』『アジェ』なども上京中」(中山さん)

先進技術:1 顧客ニーズ:4 市場の将来性:4 独自性:4 コスパ:4

 

未知なるスパイスや香草料理にファン急増「本格中東料理」

2023年のヒットスイーツに中東の伝統菓子「バクラヴァ」があるが、イスラム圏の料理は徐々に日本でメジャー化しつつある。

 

そもそも中東グルメはいま世界的に注目されており、海外で活躍するシェフの店やグローバル展開するレストランの日本店でも積極的に取り入れられてきた。こうした背景に、国際化や食の多様化が加わって、現地の本格料理に特化したレストランも増えている。

 

さらにインバウンドも盛況な昨今、中東料理はますますアツい!

↑11月末には恵比寿の人 気中東料理店「タイーム」 が、「虎ノ門ヒルズ」に新 設されたタワー内に開業

 

独自の世界観とおいしさが秀逸!!魅惑的なアラビア料理の惣菜店

↑デーツとくるみのバクラヴァ

カールヴァーン
デリカテッセン&ビアストップ

アラビア料理レストラン「カールヴァーン」が渋谷に出店したデリ業態。現地の香辛料やスーパーフードなどを駆使し日本人でも食べやすく仕上げた惣菜と、自家醸造クラフトビールが楽しめる。

↑デーツとくるみのバクラヴァ

 

アフガニスタンの伝統料理を遊牧民の気分に浸りながら食す

キャラヴァンサライ包

東中野で35年以上続くアフガニスタン料理店。遊牧民の住居を思わせる異国情緒のなか、鉄鍋料理「カラヒィ」(写真・上)、串焼き「カバブ」(写真・下)、和え麺「ラグマン」など、日本では珍しいメニューが味わえる。

 

【ヒットアナリティクス】もう“中東”ハンパじゃない次はヨーグルト料理か?

「ここ数年で、羊料理や様々なスパイスが日本にも徐々に浸透。それらを多用する中東料理との距離も近くなっており、店の数も増えてきました。個人的には現地でおなじみのヨーグルト料理も注目株です」(中山さん)

先進技術:1 顧客ニーズ:3 市場の将来性:4 独自性:4 コスパ:3