気候変動で下痢が世界的に大流行する? 英の科学者が警鐘
世界中に脅威をもたらした新型コロナウイルス。それと同じように、下痢や腹痛が大流行するかもしれない……。最近、科学者がそんな警鐘を鳴らしています。
英・サリー大学の研究チームは、「カンピロバクター」と呼ばれる細菌と気候変動の関連性について研究を行いました。この細菌はカンピロバクター感染症を引き起こし、世界保健機関(WHO)によると、世界の下痢性疾患の主な原因4つのうちの1つに当たるそうです。
同研究チームはイングランドとウェールズで過去20年間に発生した、約100万件のカンピロバクター感染症のデータを分析。感染症が発症した時期の天気との比較を行ったのです。その結果、気温が5℃上昇するごとに、発症件数が急激に増加していることが判明。また、湿度が75〜80%でも感染が増え、日中の長さとも関連性があることを見つけたのです。
この理由についてはまだ不明ですが、今回の結果からいえることは、温暖化が進むと、カンピロバクターが世界的に流行する可能性があるということ。WHOの発表で、2023年は世界の平均気温が観測史上最も暑い年だったことが明らかになっていますが、今後、気温がさらに上昇していけば、カンピロバクターのような病原菌がまん延しやすくなる可能性も考えられます。
同研究チームは、気温が高くなるとカンピロバクターの発症が増える原因を突き止めたいと話しています。
【主な参考記事】
Daily Mail. Climate change could spark diarrhoea outbreaks: Experts warn deadly food poisoning bug will spread more quickly amid rising temperatures. January 18 2024