コロナ禍を経て息を吹き返した外食トレンドからも目が離せない! 今回はフードライター中山秀明さんと「GetNavi」フード担当・鈴木翔子さんに「コスパ&タイパ向上オイル」「コストコロッカー」「格安コーヒー2ndウェーブ」について聞いてみた。

※こちらは「GetNavi」 2024年2・3月合併号に掲載された記事を再編集したものです

 

■フードライター中山秀明さん
食のトレンドに詳しいフードアナリスト。個人的には「お手ごろうなぎチェーン」が特に激アツだと豪語する。

 

■「GetNavi」フード担当・鈴木翔子

本誌のフードを5年以上担当。酒好きが高じ、しばしばバーでも働いており、酒トレンドに詳しい。

 

コストや使い勝手などがとにかくスマート「コスパ&タイパ向上オイル」

物価高や多忙に悩まされる現代人向けの、画期的な調理オイルが登場。使用量と油のハネを従来の半分にできることが最大のウリで、ファミリー層を中心に切り替える人が増えそうだ。

J-オイルミルズ
AJINOMOTO ダブルハーフ
実売価格340円(600g)、400円(900g)

使用量と油ハネが半減し費用と掃除の手間もカット

食材への馴染みやすさをアップさせ、使用量と油のハネを半分に抑えた調理オイル。油ハネの抑制によって後片付けがラクになり、従来より安全に料理できるというメリットもある。

 

【ヒットアナリティクス】実用性だけでなく油としてのクオリティも高い

「2023年夏に登場し、すでにスーパーなど小売店からの評価が高く売れ行きも好調。少量で済むという実用性の高さだけでなく、カラッとおいしく仕上がる油としてのクオリティの高さも十分で、今後キッチンの定番品になりそう」(鈴木)

先進技術:5 顧客ニーズ:5 市場の将来性:5 独自性:5 コスパ:5

 

ロッカーを介して商品が受け取れるように!「コストコ ロッカー」

再販店が話題のコストコだが、次は新サービスとの連携が始まっている。それが駅構内のロッカーを介した取り次ぎサービスで、様々な路線が参入中だ。コストコの年会費が不要なのもうれしい。

SPACER
とりクロ

アプリから注文購入し駅で簡単に受け取れる

阪急電鉄の梅田駅と豊中駅で実証実験中のサービス。コストコで人気のPBフードをはじめ、80種類以上の商品を専用アプリから注文すると、最短で即日受け取れる。サービス利用料は300円。

 

【ヒットアナリティクス】会費・交通費を考えればコスパも高い

「阪急電鉄だけでなく、西武鉄道やJR西日本なども導入中。5000円近くかかるコストコの年会費とお店まで行く際のガソリン代が不要なことを考えれば、おトク度も高いです。JR東日本も今後導入予定とか」(鈴木)

先進技術:4 顧客ニーズ:4 市場の将来性:3 独自性:3 コスパ:4

 

コンビニサブスクと中国系の上陸が最旬「格安コーヒー2ndウェーブ」

セブン-イレブンが「セブンカフェ」でコンビニコーヒーを定着させた2013年から約10年。便利で安いコーヒートレンドは第2の波を迎えた。ひとつはサブスクリプションサービスで、2023年、各社がテスト販売を実施していた。また、ファミリーマートは回数券の形で実施しており、他社がどう展開するか、期待が高まる。もうひとつの格安コーヒートレンドは中国チェーン。今夏上陸した「COTTI COFEE」をはじめ、日本での動向に注目だ。

 

1杯あたり30円で飲める!超お得な定額サービス

ニューデイズ
コーヒーサブスク
月額1390円(月に20杯まで)、月額1800円(1日2杯まで)

JR東日本の駅のコンビニ「ニューデイズ」の一部店舗では、定額制コーヒープランを提供中。1800円プランで最大量飲むと1杯あたり30円(※)に。申し込みから利用までスマホで完結。

※:30日で計算

 

↑ローソンやセブン-イレブンは2023年にテスト販売を実施済み

 

1年未満で5000店を超えた絶好調の中国チェーンが上陸

COTTI COFFEE

2022年10月に福建省で1号店が開業し、2023年8月末には現地で5000店舗を突破した、いま最も勢いのある中国カフェチェーン。コーヒー1杯280円〜と安く、メニューの豊富さも特徴だ。

 

【ヒットアナリティクス】サブスクは大手、中国カフェは新奇性がカギ

「コーヒーサブスクは、コンビニ大手3社すべてが全国展開すれば一気に定着するでしょう。『COTTI COFFEE』は、日本の既存コーヒーチェーンにはないメニューやサービスを打ち出せれば人気に火が付くでしょう」(中山さん)

先進技術:4 顧客ニーズ:4 市場の将来性:4 独自性:3 コスパ:4