阿部巨人のカギを握る「5番打者問題」 岡本和真の「次」を担う男は新助っ人のオドーアか、それとも
主砲の岡本が十分に働ける環境を作ることが巨人浮上のひとつのカギと言える(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext
「中田翔の穴」は果たして、埋められるのでしょうか。
阿部慎之助新監督が率いる今季の巨人です。出場機会を求めて中田が退団し、中日へ。失って初めて分かるその強烈な存在感。
【動画】これぞ4番! 岡本和真の通算200号のメモリアルアーチを放った場面
巨人の取材経験があるスポーツ紙のベテラン記者は言います。
「今季、巨人がV奪回をするためには、強力な5番打者の存在が不可欠です。昨季は不動の4番・岡本和真選手が140試合に出場し、打率.278、41本塁打、93打点と活躍しましたが、その後の打線がつながらないことが多かった。自身最多タイの72四球と歩かされ、後続が打ち取られるケースが目立ったのです」
するとスポーツ各紙は20日付の朝刊で、その座を担う強打者の名を報じました。
前パドレスのメジャー通算178発を誇るルーグネッド・オドーア内野手−−。
メジャー取材経験の長いスポーツライターは言います。
「レンジャーズ在籍時にはシーズン30発以上を3度記録しているスラッガーです。セカンドをこなしていましたが、巨人はライトで起用したい意向だと聞きます。17年にはWBCのベネズエラ代表も務めた文句なしの大砲。問題は三振の多さでしょうか。長距離砲ですからやむを得ない点もあるんですが、巨人ファンとしてはかつてバットが空を切りまくったフランシスコの例もあるので、まずはキャンプやオープン戦でお手並み拝見でしょう」
オドーアの獲得前には、意外な名前も出ていました。
万能型の打者として、日立製作所のドラフト3位ルーキー・佐々木俊輔外野手が「5番・中堅」として開幕スタメン候補に挙がっていたのです。
走攻守3拍子そろい、パンチ力も秘めていることからの大抜擢ですが、スポーツ紙のデスクはこれも阿部監督の現有戦力に対する「うかうかするな」というメッセージなのではと解説します。
「巨人のスカウト陣は佐々木選手に対して、DeNAのドラフト1位でアマ最強打者の呼び声高かった度会選手と遜色ない評価をしているとの情報も伝わってきます。しかし、いくら何でもルーキーが巨人のクリーンアップを務めることは実際問題、なかなか難しいでしょう。むしろ佐々木選手の名前を出すことで危機感を煽り、キャンプからオープン戦とハイレベルな競争が展開されることこそ、阿部監督の真意と見ますね」
現実的にはベテランの丸選手、期待値込みなら秋広選手もその候補になると、前述のデスクは語ります。
「丸選手は確かに昨季、打率.244、18本塁打、47打点と物足りない成績に終わったとはいえ、実績や経験値はズバ抜けています。開幕へとしっかり合わせ、外野の一角のレギュラーをつかむ可能性は高いでしょう。風景を変えるなら秋広選手。昨年は121試合に出場し、規定打席にはわずかに足りなかったものの、打率.273、10本塁打、41打点と東京ドームに新しい風を吹かせました。師匠格の中田選手が移籍し、今季は独り立ちが求められます。長打力だけでなく、対応力もある。腰を据えて、我慢して起用するのも一つの手でしょう」
いずれにせよ、強力な5番の存在こそ逆襲へのカギを握ります。
チャンスに強いクラッチヒッターとして打点を稼ぎまくる男は、いったい誰になるのか。
サバイバル戦から目が離せません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]