大勢が返り咲けるか 阿部巨人の懸案材料 V奪回のために欠かせない「守護神候補」の名前
大勢はWBCでも好投した(C)Getty Images
巨人は1月19日に都内でスタッフミーティングを行い、来るシーズンに向け、今季のチーム方針含め、確認を行った。節目の創設90周年となる今季、2020年以来の優勝を阿部慎之助新監督の下で目指すシーズンとなる。
V奪回を目指すチームで指揮官がどんなタクトをふるい、選手を上昇気流に乗せていくか、様々なポイントで期待が高まっているが、解消しておかなくてはいけない課題もある。
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昨年の救援防御率はリーグワーストの3・81。2年連続Bクラスに沈むチームにおいて、安定した「勝利の方程式」の構築が喫緊の課題とされる。
昨年救援陣がスクランブル登板を強いられた大きな要因は守護神・大勢の不調だった。昨春のWBCにも侍ジャパンの一員として参加、世界にもその勇姿を知らしめたが、シーズンに入ってからは苦しんだ。序盤は安定したパフォーマンスを残すも、6月下旬に右上肢のコンディション不良で登録抹消。27試合の登板にとどまり、3勝0敗、14セーブ、防御率4・50に終わった。
大勢は昨年9月に一時、一軍マウンドに戻ってきたが、9月21日に行われた阪神戦(甲子園)ではわずか8球で2被弾と不安定な姿を見せ、ファンからも心配の声が上がった。
力感あるフォームから150キロ超の直球とフォークのコンビネーションで打者を追い込むのがスタイル。絶対守護神としての座を取り戻せるかが注目される。
一方、阿部監督始め、首脳陣も大勢の守護神復帰を希望するが、仮にキャンプ、オープン戦含め状態が上がってこないようであれば、危機管理の意味でもポスト大勢候補を考えなければならない。
その意味では、阪神でも守護神を務めた経験を持つカイル・ケラー、ドラフト1位ルーキーの西舘勇陽(中大=21)、阪神でリリーフの実績を持ち、現役ドラフトで獲得した馬場皐輔などのコンディション、調整過程も注目となりそうだ。
チームの救援陣では昨年36試合に登板した船迫大雅や同じく50試合に登板した菊地大稀などイキのいい若手も出てきた。ほかにもトレードでオリックスから獲得した近藤大亮、同じくソフトバンクから獲得した泉圭輔など力のあるリリーフ陣も加入したことで組み合わせ次第では強力な救援陣形成も夢ではない。まずは大事な9回を任せる投手が誰となるのか、2024年版「勝利の方程式」を楽しみにしたいところだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]