年俸は日本時代の6倍 “野球浪人”だった元中日助っ人ロドリゲスがMLBで契約を勝ち取れた理由とは?

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キューバ代表としてWBCにも参戦していたロドリゲス。彼が中日時代からの昇給を果たせた理由とは?(C)Getty Images

 日本からメジャーリーグへ“逆輸入”を果たした怪腕の契約が脚光を浴びた。

 現地時間1月18日、トロント・ブルージェイズは、キューバ人右腕ジャリエル・ロドリゲスとの契約締結を発表。米メディア『MLB Trade Rumors』によれば、4年総額3200万ドル(約47億4100万円)でのサインとなったという。

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 念願の夢舞台に向け、第一歩を踏み出した格好だ。2020年から2年間にわたって中日に在籍したロドリゲスは、22年シーズンにセ・リーグで56試合に登板し、防御率1.15、WHIP0.92、39ホールドを記録。最優秀中継ぎのタイトルも獲得し、新たに2年契約を締結していた。

 しかし、昨春に開催されたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でキューバ代表として出場後に再来日せず。遠征先のドミニカ共和国で「自分はMLBでプレーしたいという夢を追うことにしました」と亡命。突然の宣言に困惑となった中日からも10月に自由契約となっていた。

 その後はプライベートでのワークアウトを実施し、スカウトの評価も高めてきた。そんな26歳は、複数球団による争奪戦の末に先述の契約を勝ち取った。中日時代の推定年俸は2億円とされていただけに、ブルージェイズでの年俸は約6倍となる800万ドル(約12億円)と大幅な昇給となった。

 約1年、実質的に“野球浪人”となっていたロドリゲス。彼がここまで評価された理由は何か。米スポーツ局『CBS Sports』は「興味深いバックグラウンドの持ち主は、日本の中日ドラゴンズでトップクラスのセットアッパーを務め、2023年のWBCではキューバ代表のエースだった」と中継ぎと先発の両方をこなせるマルチな才能を強調。懸念される亡命後の試合勘への影響についても「むしろ、これまでの摩耗を癒やす期間になった。全ての投手にとって休養期間は肉体的なメリットになり得る」と指摘。そして、大型契約が与えられた背景を読み解いている。

「ロドリゲスはまだ26歳だ。これはかなり大きな意味を持つ。彼は大半のフリーエージェント選手よりもはるかに若く、理論的には、ここからピークを迎える選手でもある。25歳のヤマモトもそこが魅力だった。

 4年3200万ドルの契約によってロドリゲスは30歳になるまでいることになる。つまりブルージェイズは、選手がキャリアにおいて最も生産性の高い時期を買収した形だ。ロドリゲス側にとっても、契約期間は短いが、30歳でフリーエージェントとなれる。彼はそこで再び大きな給料を確保できるはずだ」

 本人も先発への本格挑戦に意欲を示しているというロドリゲス。メジャーに鳴り物入りで飛び込む元NPB助っ人のパフォーマンスに興味を持たずにはいられない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]