米老舗リング紙がPFPで井上尚弥を2位に クロフォードとの比較で編集長の見解は?「イノウエは私の中で唯一無二だ」

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タパレスを撃破し、スーパーバンタム級を統一した井上。その強さに対する評価は揺るぎない。(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext

 厳しい選考のなかでも“怪物”に対する評価は揺るぎない。現地時間12月29日、米ボクシング専門誌『The Ring』は、階級を超えた格付けランク「パウンド・フォー・パウンド(PFP)」最新版を公表。世界スーパーバンタム級4団体統一王者となった井上尚弥(大橋)が今年8月の発表に続き、2位で順位が変わらないとした。

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 圧倒的な強さを見せつけた1年だった。7月にスティーブン・フルトン(米国)に8回TKO勝ちでWBCとWBOの王座を奪取した井上は、今月26日にWBA&IBF王者マーロン・タパレス(フィリピン)を10回KOで破り、2階級4団体統一の偉業を達成。男子では史上2人目、アジア人では史上初となる快挙だった。

 直近4戦すべてでKOもしくはTKO決着をつけている井上。そうした図抜けた戦績も含めて、全17階級のボクサーを体重差がないと仮定して最強選手をランキング化するPFPでも「1位」に推挙するメディアは少なくなかった。

 しかし、1922年に創刊され、「世界で最も権威がある」と評価される『The Ring』は違った。彼らは議論の末に、今年7月に世界ウェルター級で4団体統一を成し遂げ、井上よりも先に2階級での4団体統一を果たしたテレンス・クロフォード(米国)を1位とした。

 井上に対する評価として同誌は「「評価する審査員と編集委員は、イノウエとクロフォード間の非常に接戦となっている2023年のファイター・オブ・ザ・イヤーについてまだ議論している」と指摘。白熱の議論内容を公表したうえで「イノウエは今のところそこに留まることになる」と2位になったことを伝えた。

 もっとも、同誌は井上の実力を軽んじているわけではない。編集長を務めるダグラス・フィッシャー氏は「ナオヤ・イノウエは、我々のPFPランキングで1位の座を奪還するのに十分な才能と実績を持ち、圧倒的な強さを誇っていると思う」と強調し、こう続けている。

「私はミスタークロフォードに敬意を表するし、彼がPFPの王ままでもまったく構わない。だが、イノウエは私の中で“THE MAN”(唯一無二)だ」

 多くの海外メディアが作成するPFPで1位、もしくは2位に食い込んでいる井上。その声価は天井知らずで高まっている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]