CHIBA, JAPAN - APRIL 10: Roki Sasaki of the Chiba Lotte Marines celebrates the perfect game against Orix Buffaloes at ZOZO Marine Stadium on April 10, 2022 in Chiba, Japan. (Photo by Sports Nippon/Getty Images)

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今季はコンディション不良含め3度の離脱があった(C)Getty Images

ロッテ・佐々木朗希投手の契約更改は来年に持ち越されることになった。年内までに交渉がまとまらず、年明けに再度行われる予定となった。

 佐々木朗は今春のWBCにも侍ジャパンの一員として出場、日本人最速タイ165キロをマークするなど、剛腕の名前を世界中にとどろかせた。

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 またかねてからメジャー希望を持っており、今オフのポスティングシステムでのメジャー挑戦は実現しなかったが、今後も粘り強く球団とは交渉を持つと見られる。

 ただ自身がいくら行きたいといっても、ポスティングシステムを利用したメジャー挑戦には球団、ファンの理解も必要となる。12年総額3億2500万ドル(約460億円)と投手として史上最高額の高評価を勝ち取ったドジャース・山本由伸はオリックスで3年連続投手4冠を果たす無双ぶりでチームのリーグ3連覇を支え続けた。

 山本ほどの成績を残すのはなかなか難しいだろうが、プロ4年目にして未だ年間通して活躍したことがない佐々木朗のメジャー挑戦には、時期尚早の見方が付きまとうのも仕方がないことかもしれない。

 今季も前半戦だけで7勝をマークしたものの球宴以降は左わき腹肉離れや体調不良もあり、3度の故障離脱を強いられた。1メートル90センチ超の恵まれた体格ならなる迫力あるピッチングは未だ完成形とはいえず、年間通しての安定したパフォーマンスを含め、クリアすべき課題もありそうだ。

 チームに与える影響もある。「ガラスのエース」ともいわれる佐々木朗を気遣うあまり、登板変更など含め、シーズン中もほかの投手陣へのしわよせも避けられない。吉井理人監督も佐々木朗に関しては、ポスティングでのメジャー挑戦に理解を示しながらも、自身ならば、もう少し球団に恩返しを行ってから挑戦すると語るなど、ルーキーイヤーから近くで見守ってきたからこそ、心身ともに「大人」へ階段を上ることを求めている。

 プロ5年目となる来季はチームを離脱することなく、V奪回を果たすための欠かせないピースとなれるか。初の2桁勝利の達成、またその積み重ねこそが真のエースへの道、夢のメジャーへの道につながっているといえそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]