西村菜那子の箱根駅伝予想

優勝争い編

【駒澤大は「誰が走っても強い!」】

"駅伝に詳しすぎるアイドル"として知られる西村菜那子さん。近年は駅伝関係の仕事が多く、プライベートでも学生ランナーが出場するレースを現地観戦。"正月決戦"に向けて、情報チェックを続けてきた。そこで、アイドル界きっての駅伝ツウに、記念すべき第100回箱根駅伝の優勝争いを占ってもらった。


箱根駅伝の優勝争いを予想した西村さん photo by Tatematsu Naozumi

 西村さんの優勝予想は駒澤大。昨季は悲願の大学駅伝3冠を達成し、今季も出雲と全日本を独走した。さらに11月25日の八王子ロングディスタンス1万mで、佐藤圭汰(2年)が日本人学生歴代2位の27分28秒50(U20日本記録)、鈴木芽吹(4年)が同3位の27分30秒69、篠原倖太朗(3年)が同5位の27分38秒66を叩き出している。

「出雲の時点で圧倒的な強さを見せていたんですが、全日本も2区から独走しました。箱根の優勝も堅いんじゃないかなと思います。11月22日のMARCH対抗戦は好タイムが出て盛り上がりましたが、その3日後の八王子ロングディスタンスでエース3人が27分20〜30秒台の自己ベストを記録。『俺らも活躍しますよ!』という雰囲気が伝わってきましたし、MARCH対抗戦を上回るタイムを出すあたり、さすが駒澤大だと思いました」

 駒澤大は箱根駅伝でダントツのV候補になるが、どんなオーダーになりそうなのか。西村さんの予想は以下の通りだ。

1区・白鳥哲汰(4年)
2区・篠原倖太朗(3年)
3区・佐藤圭汰(2年)
4区・鈴木芽吹(4年)
5区・山川拓馬(2年)
6区・伊藤蒼唯(2年)
7区・赤星雄斗(4年)
8区・花尾恭輔(4年)
9区・安原太陽(4年)
10区・庭瀬俊輝(3年)

「上尾ハーフでは、全日本1区で区間賞を獲得した赤津勇進選手(4年)が悔しい結果になったので、同ハーフで結果を残した白鳥選手が1区に入るのかなと思います。安定感でいったら2区は篠原選手じゃないでしょうか。そして3区は佐藤選手で4区が鈴木選手。山は前回と同じく、5区・山川選手、6区・伊藤選手ですかね。ただ、6区は帰山侑大選手(2年)のパターンもあるかもしれません。

 7〜9区は実績がある4年生で、アンカーは新しい風として庭瀬選手あたりに期待しています。それにしても選手層が厚いですね。誰が走っても強い!」

 1万m27分台トリオがいて、スピードは抜群。山も前回5区で4位だった山川と前回6区で1位だった伊藤が控えている。加えて選手層が厚く、復路も強力メンバーを揃えることができるため死角はなかなか見つからない。

【対抗できそうな大学は?】

 絶対王者・駒澤大を止められる大学はあるのか。西村さんは、「往路は城西大が駒澤大と競り合う可能性がある」と見ている。

 城西大は前回5区で山本唯翔(4年)が区間賞・区間新記録をマーク。"山の妖精"は今回も5区で快走が期待されるが、チーム戦略はどうなりそうなのか。

「往路に主力選手をつぎ込んでくると思います。出雲と全日本の3区で区間賞を獲得したヴィクター・キムタイ選手(2年)を2区、1万mで27分台に突入した斎藤将也選手(2年)を4区に配置できれば面白いですね。首位と1分30秒差なら、5区の山本選手が大逆転する可能性はあると思います!」

 一方の復路では、青山学院大が駒澤大をひたひたと追い詰めるのではないかと見ているようだ。

 青学大は出雲で5位と伸び悩んだが、全日本は2位。この順位は2019年度と同じで、その年度では箱根で総合優勝している。では、青学大の勝ちパターンはどうなのか。

「超強力な駒澤大を倒すには、粘り勝つしかないと思っています。青学大も選手層は厚いので、粘り勝ちできるチャンスがある唯一のチームじゃないかと。前半を耐えて、復路で逆転する可能性はありますよ。往路は苦しい展開かもしれないですけど、復路で徐々に詰めていくんじゃないでしょうか」

 西村さんのシミュレーションでは、青学大は往路を駒澤大と「58秒差」で折り返して、復路で反撃するという。

「6区で30秒差まで詰めて、8区で逆転ですかね。そんな勝ち方ができるのは青学大しかありません」

 その中で西村さんが「キーマンになる」と考えているのは、佐藤一世(4年)と黒田朝日(2年)だ。

「1年時から活躍して『駅伝男』と言われた佐藤選手が、MARCH対抗戦の1万mで28分11秒00の自己ベストを出しました。調子を上げているので、最後の箱根は2区で快走してくれるでしょう。

 黒田選手も2区の可能性はあると思いますが、前回候補だった5区で彼が走る姿を見られたらうれしいですね。黒田選手が5区に入れば、若林宏樹選手(3年)は3区でしょうか。全日本8区の田中悠登選手(3年)のデットヒートを制した走りは感動的でしたし、太田蒼生選手(3年)も万全なら戦力として大きいです。駒澤大優勢と見られている第100回大会の優勝争いも、最後まで見逃せませんよ」

(シード権争い編:上位にいく大学、「台風の目」となりそうな大学は?>>)

【プロフィール】
西村菜那子(にしむら・ななこ)

1997年8月11生まれ。長野県出身。2015年にNGT48第1期生オーディションに合格。両親の影響で箱根駅伝を見るようになり、現在は大学駅伝だけでなく、あらゆる駅伝大会に精通している。2022年9月にNGT48を卒業し、舞台など活動の幅を広げている。

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