日本航空(JAL)とヤマトホールディングスは11月20日、2024年4月11日から共同で運航する貨物専用機(エアバスA321-200P2F型機、機体記号:JA81YA)を成田空港で公開した。

両社は2022年1月、首都圏と北海道、九州、沖縄を結ぶフレイター事業に共同で取り組むことを発表。エアバスA321-200ceoを貨物機に改修したA321-200P2Fを、ヤマトホールディングスがリースで3機導入する。今回公開された機体はその初号機。

機体は元カタール航空機で、改修作業はエアバスとシンガポールの工学メーカーのST Engineeringが共同で設立したドイツのエルベ・フルクツォイヴェルケ(EFW)が担当し、3月からシンガポールで実施。台北・桃園国際空港を経由して、11月6日に成田空港に到着した。

機体はグレーをベースカラーに、機首付近にはクロネコが子猫をくわえて運ぶ姿をモチーフにしたヤマトグループのシンボルマーク、垂直尾翼にはアドバンスマークが描かれている。

メインデッキにはAAYコンテナを14台、ロワーデッキにはAKHコンテナを10台搭載でき、88インチパレットにも対応。最大搭載重量は1機あたり28トンで、10トン車約5〜6台分に相当する。同じ小型貨物機のボーイング737-800BCFと比べ、約20%多く貨物を搭載できるという。航続距離は最長3,000キロで、東京から香港、台湾などにも運航できる。

運航はJALグループのスプリング・ジャパンが担当する。今後、2024年3月頃までプルービングフライト(慣熟飛行)を行い、4月11日から東京/成田〜札幌/千歳・北九州・沖縄/那覇線と沖縄/那覇〜北九州線の4路線1日9便体制で商業運航を開始する。2024年夏頃には東京/羽田〜札幌/千歳・北九州線にも拡大する。将来的には国内の他空港、近距離アジアへの展開も見込む。

国内の物流業界をめぐっては、いわゆる「2024年問題」によるトラックドライバーの人手不足や、自然災害による物流網寸断リスクといった課題が浮上している。JALとヤマトホールディングスは新たな輸送手段として貨物専用機を導入することでこれらの課題に対応し、輸送力拡大によって、地方への製造企業誘致や生鮮品の流通拡大など、地方創生にも寄与したいとしている。

■プルービングフライトダイヤ(不定期、予定)

IJ*** 東京/成田(07:45)〜北九州(09:50)/11月20日〜30日

IJ*** 北九州(10:25)〜大阪/関西(11:25)/11月20日〜30日

IJ*** 大阪/関西(12:00)〜東京/成田(13:25)/11月20日〜30日

IJ*** 東京/成田(14:30)〜北九州(16:35)/11月20日〜30日

IJ*** 北九州(17:10)〜大阪/関西(18:15)/11月20日〜30日

IJ*** 大阪/関西(18:50)〜東京/成田(20:15)/11月20日〜30日

IJ*** 東京/成田(08:30)〜大阪/関西(09:55)/12月21日〜

IJ*** 大阪/関西(10:30)〜北九州(11:35)/12月21日〜

IJ*** 北九州(12:10)〜東京/成田(13:50)/12月21日〜

IJ*** 東京/成田(15:15)〜北九州(17:20)/12月21日〜

IJ*** 北九州(17:55)〜大阪/関西(19:10)/12月21日〜

IJ*** 大阪/関西(19:35)〜東京/成田(21:00)/12月21日〜