ウェブブラウザ「Firefox 119」の正式版が公開されました。開いているタブや最近閉じたタブ、他の端末で表示中のタブを一覧できる画面が追加されたほか、PDF編集機能やプライバシー保護機能がアップデートされています。

Firefox 119.0, See All New Features, Updates and Fixes

https://www.mozilla.org/en-US/firefox/119.0/releasenotes/

◆Firefox Viewが搭載される

「開いているタブ」「最近閉じたタブ」「他の端末のタブ」を一覧できる画面「Firefox View」が搭載されました。タブが表示されている部分の左上にあるフォルダアイコンをクリックすると開くことができます。



表示するべきタブの数が大量にある場合、最初の5つのみが表示されます。全体を確認したい場合は「すべて表示」をクリック。



左のタブが「開いているタブ」に切り替わり、ウィンドウごとにタブが整理されて表示されます。



◆PDF編集機能が強化される

テキストや描画に加えて、画像や画像の代替テキストを追加できるようになりました。



◆追跡防止機能の強化

包括的Cookie保護機能にBlob URLの分割機能が追加されたほか、厳密モード時に使用できるフォントをシステムフォントと言語パックフォントに制限することでサードパーティーによる追跡を軽減できるようになりました。

◆文字の入力中にマウスポインターを表示しない設定

Windows版のFirefoxにおいて、システムで設定していれば文字の入力中はポインターが表示されなくなりました。システムの設定はスタートメニューの検索欄に「マウス」と入力して出てくる「マウスポインターの表示または速度の変更」にて行う事ができます。



「文字の入力中にポインターを非表示にする」にチェックを入れて「OK」をクリック。これでFirefox上で文字を入力する際にポインターが邪魔することがなくなります。



◆開発者向けの変更点

・CSSのアップデート

「::first-letter」「::cue」「::placeholder」などの疑似要素がサポートされたほか、要素に影響を与えないCSSプロパティの表示が改善されました。

・JSONビューワーのアップデート

JSONビューワーはREST APIの応答内容などを確認する際に、JSONをフォーマットして見やすく表示してくれる機能です。Firefox 119からはJSONが無効だったり壊れていたりする際には自動で生データを表示するようになりました。

◆その他の変更点

・自動セッション復元が有効化されていない場合でも「最近閉じたタブ」を保持するようになりました

・Chromeからのデータ移行時に拡張機能の一部をインポートする機能が追加されました

・Storage Access APIが更新され、セキュリティやウェブサイトの破損が改善されました

・Encrypted Client Helloが利用可能になりプライバシーが向上しました

・「application/octet-stream」形式のファイルに対して中身を推定するメディアスニッフィングを行わなくなり、単純にダウンロードするようになりました

・CSSの属性へのARIA reflectionおよびカスタム要素へのアクセシビリティセマンティクスがサポートされました

・Cross-Origin-Embedder-Policyにて「credentialless」がサポートされました

・CSSのattr()関数でフォールバックパラメーターを設定可能になりました

・Object.groupByおよびMap.groupByがサポートされ、配列の要素のグループ化が簡単になりました

また、Firefox 119には複数のセキュリティバグフィックスが含まれています。

なお、次期メジャー版となる「Firefox 120」は現地時間の2023年11月21日にリリース予定です。