死別した愛犬・けやきのペンダントはどこに 失意に暮れる飼い主、Xで起きた奇跡。「優しいリレー」でなんと発見
「今日の午後、亡くした愛犬の写真で作ってもらった大事な大事なペンダントを落としてしまいました」──。
切実な探し物の呼びかけがX(ツイッター)で拡散されたところ、巡り巡って数日後に解決し、「全員の善意と行動で起きた奇跡」「こんな事があるとSNSも素敵だなと思う」と話題になっている。当事者に話を聞いた。
「外出時に必ず付けていた宝物でした」
約3年前に柴系雑種犬・けやきと死別したXユーザー「はぐれ&けやき(@e_hagure)」さんが2023年10月5日、冒頭のように投稿したのが事の始まりだ。
帰宅後に気付き、訪れた店や電車に問い合わせたものの見つからなかったという。駅構内など心当たりを説明しつつ、「もし見つけた方がいらっしゃったらご連絡ください」「奇跡を念じて...」と呼びかけた。
実物の写真も添付された。ペンダントトップはたまご型で、うす茶色の模様を持つ白い犬の笑顔を捉えたような写真が使われている。次のようにも説明された。
「けやきが元気だった頃にTwitterのお友だちからサプライズプレゼントしてもらった手作り品です。けやきを亡くしてからは、外出時に必ず付けていた宝物でした」
「なので、けやきをもう一度失ったようなショックはもとより、せっかく作ってくださった方にも申し訳なくて、ぜひ見つけたいと思っています。留め金が緩くなってたことに注意を払わなかった私に『このバカ!』と言いたい」
投稿は大きく拡散され、案じる声や助言が多数寄せられた。投稿者は探し続けるも、7日時点では「まだ見つかっていません」。ただ、「大捜索隊とも言うべきたくさんのご厚意に心からの感謝を申し上げます」と伝えた。
しかし9日になって、「見つかりました!!!!見つかりました!!!!見つけてくださいました!DMで写真送っていただき、間違いありません!ああ、なんという!」「たくさん拡散していただいたおかげです!」と報告した。
「3人の方の優しいリレー」があった
発端の投稿を知る人物が、屋外の手すりに掛けられているペンダントに気付いたようで、雨で濡れており預かっていると連絡してきたと明かす。はぐれさんは無事に受け取り、「手にした時はちょっと涙目...」と感謝を伝えた。ペンダントは「門外不出」にするという。
10日には、後日談として発見に至るまでの経緯を説明している。
「実は、最初に見つけて道の端に寄せておいたという方からもDMいただきました。広い舗道の真ん中に落ちていたので、踏まれたり蹴られたりしないように...と。確かに私、真ん中を小走りで歩いていたので間違いありません。
その方の後に見つけた方が手すりに掛けてくださり、さらに最後の方からご連絡をいただき、破損も何もなく無事な姿で受け取ることができました。3人の方の優しいリレーに、どう感謝していいやら...という思いです。Twitterのみなさまにも心よりお礼を申し上げます」
一連の投稿はXで、「良かった!本当に良かった!こんな事があるとSNSも素敵だなと思う」「誰も落し物を見て見ぬふりしたり盗んだりせず、全員の善意と行動で起きた奇跡やな、すごい」といった声が集まっている。
発見前、ペンダントを作ってくれた人も
はぐれさんは11日、「落とし物をTwitterで呼びかけたのはもちろん初めてです。半ば諦めてもいましたが、同時に奇跡も信じていました」とJ-CASTニュースの取材に答えた。
愛犬は推定1歳で引き取った保護犬で、10歳3か月ほどまで生きた。「酷い目に遭ってきたにもかかわらず、人間大好きな懐っこい子でした。ただし幼年期の飢えの記憶が拭えず、最期まで食いしん坊でしたが」と振り返る。
Xの反響には、「本当に見つかった時はみなさんの優しさに感動しました」「ネガティブなもの、非難めいたものはひとつもありませんでした。すべてが善意のメッセージで、それにも驚き感動しました」とはぐれさん。
「また、ペンダントが見つかる前に3人の方から新たなペンダントやストラップを作った、作るというDMをいただいたことも驚きと共に胸熱でした」とも述べる。
Xで「わらしべけやき」との感想が寄せられたとし、「本当にその通りだと」とうなずいた。