セフォラは、9月27日の時点で、自社のロイヤルティプログラム、ビューティインサイダー(Beauty Insider)会員にゲーム化体験を通じてさらに多くのポイントを獲得する機会を提供している。

ゲーム化で楽しさを加え、Z世代への魅力を強化したロイヤルティプログラム



この新しい機能は、「ビューティインサイダーチャレンジ(Beauty Insider Challenges)」と呼ばれ、セフォラにとって初めてのアプローチとなる。チャレンジには購入が必要なタスクと購入が不要のタスク両方が含まれており、メンバーシップの全レベルで利用できる。最初のチャレンジは「レディ、セット、セフォラ(Ready, Set, Sephora)」で、オンライン購入&店舗で受け取りのチェックアウト、セフォラのテキストアラートにサインアップ、オンラインチェックアウト時にサンプルを追加、店内のシェードマッチングツール、カラーiQ(Color iQ)を試すという4タスクから構成されている。ビューティインサイダー会員はタスクを完了するごとに100ポイントを獲得し、チャレンジ全体を完了するとさらに100ボーナスポイントがもらえる。チャレンジをすべて完了すると、ビューティインサイダーキャッシュ(Beauty Insider Cash)と交換できる500ポイントを獲得できるというわけである。このキャッシュは次の購入時に10ドル(約1500円)の割引またはほかの特典と交換できる。500ポイントを獲得するには、会員は今年の12月22日までにこの最初のチャレンジを完了しなければならない。ビューティインサイダーへの登録は無料で、会員は350ドル(約5.2万円)を費やすとVIBレベルに、1000ドル(約14.9万円)を費やすとルージュ(Rouge)レベルに自動的に移動する。会員は1ドル(約149円)を払うごとに1ポイントを受け取るが、季節のポイント倍率セールイベント中はどのレベルの会員でもポイントをもっと多く獲得することができる。

「この新機能の目標は、店舗とオンラインの両方で当社が提供する楽しくてエキサイティングな全商品の認知度を高め続け、セフォラに対して継続的に関与してくれるコミュニティと忠誠心に報いることだ」と語るのは、同社のシニアバイスプレジデント兼ロイヤルティ担当ゼネラルマネージャーのエメリン・ベルリンド氏だ。「(顧客から)ロイヤリティプログラムにゲーム要素を含めて、セフォラとつながる方法を拡大してほしいと言われたが、これ以上明確なことはなかった。また、Z世代にとって、魅力的なロイヤルティ特典、独占的アクセス、特典サービスが重要なこともわかった」。

ビューティインサイダー会員は、Sephora.comのアカウントページかセフォラのモバイルアプリの「ビューティインサイダーチャレンジ」セクションからチャレンジにアクセスできる。そこから「チャレンジ」をクリックして参加すると、プロンプトが表示される。また、セフォラは、会員が進行中のチャレンジと完了したチャレンジをモニターできる追跡システムも作成した。

ゲーミフィケーションで関与や認知度がアップ



1997年〜2012年のあいだに生まれた人と定義されているZ世代が米国人口の20.3%を占めることを考えれば、Z世代にアピールするというセフォラの狙いは注目に値する。また、ガートナー(Gartner)の2021年の消費者価値観・ライフスタイル調査によると、Z世代とミレニアル世代のほぼ60%が少なくとも週に1回はビデオやほかの電子ゲームをプレイしているという。さらに、CRM代理店のスニップ(Snipp)によると、顧客エンゲージメント戦略にゲーミフィケーションを組み込んだ企業では、エンゲージメントが47%、ブランドロイヤルティが22%、ブランド認知度が15%増加したという。

ロイヤルティ管理ソフトウェア会社、アンタヴォ(Antavo)の共同創業者兼最高戦略責任者、ズザ・ケスマー氏は、最近のインタビューで、ロイヤルティに対するほかの次世代アプローチについて、「この100年間、ロイヤルティプログラムは1ドル(約149円)費やせば1ポイント獲得できるというものだった。だが、それよりもずっと多くの機会がある」と述べている。

ロイヤルティプログラムを向上させ続けるセフォラの尽力



セフォラは、2018年、交換できる製品を増やし、ポイントシステムを変更し、特典のオプションを増やしたが、以来定期的にロイヤルティプログラムを更新している。2020年には消費者に金銭的インセンティブを提供し始め、500ポイント貯めると購入で10ドル(約149円)割引を受けたり、10ドル(約149円)を一部の慈善団体に寄付したりできるようになった。ベルリンド氏によると、ビューティインサイダープログラムの会員数は3400万人だという。これは、セフォラが会員数は約2500万人だとGlossyに語った2020年と比べると、30%の増加だ。セフォラを所有するLVMH(LVMH モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)は、7月の第2四半期と半期決算報告でセフォラの売上高がほぼすべての市場で増加し、利益率も改善したと報告した。

「このプログラムによって、購入をさらに便利で、有益で、価値あるものにするためにセフォラが提供しているいろいろなことを会員に知ってもらうことができる。我々はプログラムの提供内容を常に新鮮に保ち、登録とインタラクションを促進したいと思っている」とベルリンド氏は述べた。

[原文:Sephora adds gamified experience to Beauty Insider loyalty program in appeal to Gen Z]

EMMA SANDLER(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)