単独アシストランキングトップの鹿島MF樋口雄太!J1鹿島のキックマスターの実力とは

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J1リーグ戦も残り6試合となり、優勝争いも終盤戦に入りつつある。

今季の鹿島アントラーズは第5〜8節で4連敗を喫して苦しい序盤戦になったが、着実に白星を重ねて現在勝ち点46点で5位と首位ヴィッセル神戸を必死に追いかけている。

その中でも今季アシストランキング首位(アシスト数12回)を独走するMF樋口雄太の実力は、追い上げている鹿島にとって無くてはならない存在だ。

リーグ屈指のチャンスメイカー樋口にスポットライトを当てる。

鳥栖アカデミーで育ったキックマスター

小学生時代から鳥栖のアカデミーで育った樋口は、ユース世代においても卓越したテクニックと得点感覚を持ったアタッカーだった。U-17日本代表に選出されるほどの才能の片りんを見せるも、トップチーム昇格は見送られた。

アカデミー卒団後は国立大学の強豪である鹿屋体育大へ進学。大学入学後はすぐに頭角を現し、大学1年次の夏には総理大臣杯メンバーにFWとして選出されて松田天馬(現京都サンガF.C.)らとともに2試合出場した。

大学では2年次から司令塔のポジションを任されると才能が開花し、精度の高いキックでチャンスシーンを多く作った。大学4年次に鳥栖から内定を受けて、古巣へ復帰。鳥栖ではプロ2シーズン目から主力に定着し、Jリーグ有数のチャンスメイカーとして名を馳せた。

アシストキングのキック精度

樋口を紹介する上で正確無比なキック精度は避けて通れない。プレースキック、流れの中でマークを背負った状態でもピンポイントに狙いへ通すパスは、鹿島の攻撃にとって生命線になっている。

プレースキックの際は早く正確なボールを前線に供給し、頭で合わせるだけといったアタッカーにとってプレゼントと表現できるほどのボールを送る技術がある。そして直接ゴールを狙う際は、ドライブ回転がかかったボールは鋭く変化し、ゴールキーパーから逃げるような弾道を描いてゴールに突き刺す様は芸術といっていいかもしれない。

流れの中でもグラウンダーパスやロブパスなどで局面や相手に合わせて味方の特徴に合ったパスを選択して、楔のパスやスルーパスを打ち分ける。この局面や相手の対応を読んで最適な球種を瞬時に判断するインテリジェンスの高さも優れている。

空間認知、距離感、判断の早さなどが鳥栖時代より磨きをかけるように成長しているため、アシスト数増加につながっているのだろう。本職のプレースキッカー不在の日本代表に乗り込めるだけのキック精度があるため、代表入りを含めた動向を注視ししていきたい。

複数ポジションをこなす柔軟性

もともとアカデミー時代にアタッカーのポジションを務めていたことから、本職のボランチ以外にも右ウイングなどを鳥栖時代から務めていた樋口はポジションを問わずに能力を発揮できる。

ウイングで出場した際は相手の攻守の切り替わりを観察した上で、攻撃時は素早いパスやクロスで局面を打開し、守備時にはプレッシングやパスコースを切るポジショニングで相手の起点を素早く潰すクレバーなウイングとして機能する。スピードやスプリント回数などは他のウインガーより長けてはいないが、優れたインテリジェンスで存在感を見せている。

中盤の底、サイド、シャドーなど中盤のあらゆるポジションに対応できるマルチロールな能力は代表入りに必要な資質の一つだ。鳥栖時代は右サイドバックや右ウイングバックを務めたこともあるため、サイドの守備能力も一定の評価がされている。

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チームの状況に合わせてポジションを変えて出場することができ、優れたインテリジェンスとキック精度を持ち合わせるため現代サッカーで理想的な司令塔として活躍する樋口。現在アシスト12回成功とアシストランキングトップを独走するチャンスメイカーは鹿島の逆転優勝を引き寄せられるのかに注目したい。