札幌のミハイロ・ペトロヴィッチ監督【写真:徳原隆元】

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2戦合計3-5となり、ルヴァン杯準々決勝で敗退

 北海道コンサドーレ札幌は、9月10日に行われたJリーグ・ルヴァンカップ(杯)準々決勝の第2戦で横浜F・マリノスに0-3の敗戦を喫し、2戦合計3-5で敗退となった。

 試合後の公式会見でミハイロ・ペトロヴィッチ監督は、3つのポイントを敗因に挙げた。

 まずペトロヴィッチ監督が悔やんだのが、前半のプレーだ。

「ファーストレグ(第1戦)に3-2で勝利できたことで準決勝に勝ち上がれるチャンスが十分にあったなかで迎えた今日の第2戦、前半は相手の横浜FMが我々を上回っていた。私たちは、なかなか弱気な前半だったと思います。ビルドアップでは縦にパスが入らず、前向きなサポートもできずにプレスを剥がせない。対する横浜FMはしっかり縦パスを入れて、前向きにサポートをして、我々の背後や逆サイドを狙って点を取りにきました。前半は1-0で折り返しましたが、1失点で済んだのはラッキーと言える試合展開でした」

 ハーフタイムには2人の選手交代を行ったものの、その効果が出る前に2点を追加されてしまう。「0-3になってしまうと簡単ではないが、選手たちは気を取り直して頑張ってくれた」とペトロヴィッチ監督は振り返る。

 そのなかでポイントに挙げたのが、後半39分にPKを獲得した場面だった。FW大森真吾がゴールを狙ったが、横浜FMのGK一森純の好守に阻まれてしまう。指揮官は「決めて3-1になっていれば、もっと展開は際どくなっていた。あの時点で決めていれば、残り時間はアディショナルタイムを含めて15分くらいあり、相手を慌てさせる展開が作れたし、2-3になっていれば延長戦だった」と悔やむ。

 続けて「ここ最近、福岡戦、京都戦でもPKを獲得しているが、重要な場面でのPKが決まらない。それが今のチーム状況だ」と、絶好の得点機を生かせていない現状を嘆いた。

 そして、3つ目のポイントとしては、MFルーカス・フェルナンデスをはじめ、負傷者が続出している影響を挙げた。「我々の特徴でもあるサイドに展開した後のドリブルでの崩しが、今は出せない状況にある。(左の)菅(大輝)は、今日は調子が上がらなかった。(右の)浅野(雄也)は、サイドもできる選手だが、もともとはシャドーやFWの選手。ルーカスや(荒野)拓馬のようにドリブルで1人、2人をかわすタイプではない。ドリブルで突破できるワイドの選手がいない状況をチームとしてどう立て直すかは模索しないといけない」と、チームの課題を述べた。

 2つのカップ戦での敗退が決まり、今シーズンの残りの公式戦がリーグ戦のみとなった札幌。ペトロヴィッチ監督は「勝ち上がれなかったことは非常に悔しいし、残念な思いもある。応援してくれた皆さんの期待に応えられなかったことも申し訳ない」とファンへの謝罪を口にした。

 そのうえで「ただ、私自身はこの敗退をネガティブに捉えていない。選手たちが最後まで戦い、攻撃的な姿勢を見せていたことは評価できる。チーム状況が厳しいなかで予選を勝ち上がり、強いマリノスにこれだけのゲームができることを示してくれた。そういう部分は選手たち、チームを評価していい。負けたなかでも、前向きなものを見つめながら今シーズンの残りを戦い、個としても、チームとしても、さらなる成長をはかっていきたい」と、来季以降につなげていくことを誓った。(河合 拓 / Taku Kawai)