日本では6割の夫婦が陥るといわれるセックスレス。京子さん(仮名・36歳)は2年前、体外受精をして、コロナ禍でめでたく第一子を出産。しかし、産後の不調で夫婦関係はさらに悪化。さらに義理の両親が京子さんの自宅でクリスマスパーティをやりたいと言い出し、ついに堪忍袋の緒が…。

過酷な出産。「思い描いていたお産とは程遠かった…」

都内のピラティススタジオでインストラクターを務める京子さん。妊活の義務から解放された夫の様子を目の当たりにし、「女として求められることは二度とないのかも」と悲しい気持ちに…。
しかし、2度目の顕微授精でめでたく懐妊。順調なマタニティ生活を送っていましたが、世はコロナ禍。思い描いていたお産とは程遠い過酷な状況になってしまったそう。

●コロナ禍の病院。看護師がたりず順番待ちに

コロナ禍の出産は、どの産科でも夫の立ち入りすら制限されて、寂しい思いをした妊婦さんが多かった様子です。

「破水をして病院へ行ったけれど、子宮口がまだ開いていないと言われて、ずーっと待たされました。こういうとき、ドラマや映画では隣で旦那さんが励ましてくれたり、何度も看護師さんへ確認をしてくれたりするシーンだと思うんですけれど、コロナ禍なので夫は病棟にすら入れず。分娩台へ案内されることもなく、病室でずっと独りぼっちで痛みと闘うハメになったのです。怖いし孤独だし、涙がぼろぼろ出ました。
私の場合は、赤ちゃんが向きを間違えていて、普通はお尻側を向いているところ、おなか側を向いていたんです。ぜんぜん看護師さんも来てくれないまま、気がつけば43時間が経っていて。もう頭がおかしくなるかと思いました」と京子さん。

京子さんはいよいよ限界…というところでやっと看護師さんが気づいてくれたといいます。すぐに「やばいかも」と騒ぎになり、ドクターが呼ばれ44時間が経過したところで帝王切開でのお産にきり替えることになったそう。

●産後の容姿が激変。「もう仕事できないかも…」

体力的にも精神的にもギリギリのところでようやく帝王切開が決まり、無事に待望の第一子が誕生。わが子を抱けた感動とは裏腹に、京子さんは産後に思いがけない事態に見舞われてしまいました。

「たぶん、ずーっと点滴を入れっぱなしだったからだと思うんですけれど、体がパンパンに膨らんでしまったんです。入院するときに履いてきた靴も履けないほど、足は象のようにむくんでしまって。全身の筋肉が削り取られたんじゃないかと思うほど、体も重たくて、もう別人の体のような状況でした」

●帝王切開の傷口が心をえぐる

もともとピラティスのインストラクターをしていた京子さんは、普通の女性よりも筋肉量が多く、全身が引き締まっていました。そんなだれもが憧れるようなスタイルがお産で激変。さらに帝王切開の傷も京子さんの心をえぐったといいます。

「お医者さんはきれいに縫ってくださったんですが、赤ちゃんを抱っこするたびに傷口は痛いし、傷跡の一部は赤く盛り上がってきてしまったりして、お風呂のとき、鏡に映った自分の体を見て、泣いてしまうこともありました。もう、仕事復帰なんて絶望的。世の中には、産後も元気できれいにしているママさんはいっぱいいますが、私はメイクしたり、身だしなみに気を配る余裕もなくなって。太っちゃったし、汚くてもいっか…と、すべて諦めモードで投げやりになってしまっている自分がいました」

産後1か月目の大事件「夫は有罪。もう許せない!」

産後、ボロボロになっていく京子さんをさらに悩ませたのは、夫の義理の両親でした。

「もともと天然というか、空気が読めない人たちだったのですが、このときは私に余裕もなかったのでついに爆発してしまいました」

●産後1か月。自宅でクリスマスパーティが開催された

壮絶なお産からまだ1か月も経っていない頃、夫から「うちの親が孫の顔を見にうちに来たいって言っているんだけど、クリスマスだしパーティしようか」と言われました。

「すぐに『それは無理』と言いましたが、どうやらクリスマスパーティはすでに決定事項になっていた様子。コロナもまだ心配な時期だったのに、非常識すぎますよね。なにしてくれてんだと怒りがこみ上げました」

夫は待ちに待った赤ちゃんの誕生に大喜びで、育児や家事は本当に積極的にがんばってくれていたといいます。けれど、100%、妻と同じようにはこなせません。

「私もいつもだったらパーフェクトを望んだりはしませんが、産後はもう寝不足、疲れ、不調…、もう心身ともにボロボロすぎて本能がむき出しの状態でした。だから、常に怒ってばかり。夫からクリスマスの話をされたときも、まさかこの状況で本当にやるなんて思ってなくて。義理の両親に押しきられる形でクリスマスパーティがわが家で開催されることになってしまったのです。本当に信じられない気分でした」

●私はこの家の家政婦でも運転手でもありません!

パーティには義理の両親のほかに、夫の妹夫婦も参加することに。義理の妹夫婦にはまだ子どもがいなかったので、こちらの産後の大変さなんてぜんぜん理解していない様子で、「せっかくだから、お昼から行くね!」という連絡がきたときには絶句したといいます。

「義理の両親も妹夫婦も、完全にお客さんとしてお昼からやって来たのです。食事はケータリングを頼んで、ケーキを食べて、せいぜい夕方には帰ってくれるかと思ったのですが、結局夜も食べていくというのであわててお寿司もとって。もう私は割りきって1日パジャマ姿で過ごしていました。じゃないと『外へ食べに行きましょう』とか言い出しかねないですし。今までもうちに遊びに来るときは、私のことを家政婦かなにかと勘違いしているような状況があったのですが、このときはもう我慢の限界というか、完全に堪忍袋の緒がきれた感じでした」

「赤ちゃんの顔を見に来た」という名目で開催されたクリスマスパーティは結局、深夜まで続いたそう。しかも、お酒を飲んでしまって、最後は京子さんに車で送ってほしいと頼んできて、ついに京子さんの我慢も限界に。これはたしかにドン引きですね。

「当たり前のように『家まで送ってくれる?』とか言ってきて、私は『赤ちゃんがいるので無理です。タクシーでも頼んだらどうですか? 私は運転手じゃないので』ときっぱり断りました。かなりトゲがある言い方をしてしまったかもしれません。ただ本当はそういうのも夫に対応してほしいのに、本人は酔っぱらって寝ちゃってて。もういくら家事しようが、育児しようが、有罪! 今でも許せないです」

こうして、京子さんと夫の関係はますます冷え込んでしまいました。そんな夫婦関係に変化をもたらしたものとは? レス解消の糸口になった出来事について次回お話したいと思います。