借り入れは「1社のみ」 利用経験のあるカードローン、第1位は「パッと! ピッと!」の、あの会社

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経済の変動やライフスタイルの変化にともない、消費者金融や銀行などのカードローン利用者が増加傾向にあるなか、非金融企業を含む、新たな貸金業者の参入によって利用可能なサービスが増え、選択肢を見極めるのがますます難しくなってきた。

そうした状況から、金融情報メディア「NET MONEY」を運営するZUU(東京都目黒区)が、全国の20歳から69歳の男女500人を対象に、カードローンの利用実態を調査した。2023年8月14日の発表。

カードローン会社選びで重視したことは「借り入れまでの早さ」

ZUUが運営するNET MONEYの「カードローンの使用状況に関する調査」によると、「今までにカードローンで借り入れしたことのある会社の数を教えてください」(単一回答)と聞いたところ、54%の人が「1社のみ」にしか、借り入れたことがないことがわかった。

「2社」と答えた人は27%、「3社」は11%、「4社以上」は8%だった。

さらに、「カードローンで借り入れを行った経験のある会社を教えてください」(複数回答)との問いに、「プロミス」と答えた人が27.3%と最も多かった。第2位の「アイフル」が22.4%、「SMBCモビット」が20.8%で第3位だった。

「アコム」(14.4%)、「レイク」(14.2%)と続いた。【図1参照】

銀行のカードローンでは、三井住友銀行が2.6%、三菱UFJ銀行バンクイックが1.6%、みずほ銀行が1.4%と、メガバンクの他、楽天銀行(1.6%)や、オリックス銀行やpaypay銀行(いずえも1.4%)、セブン銀行(1.2%)、auじぶん銀行(1.0%)が目立った。

利用者に、「借り入れした会社を選ぶ際に重視したこと」(複数回答)を聞いたところ、「借り入れまでの早さ」と答えた人が40.3%で最も多く、重視していることがわかった。

次いで、「借り入れのしやすさ」が38.1%、「返済のしやすさ」33.7%、「借り入れ金利」が32.1%と続いた。【図2参照】

「au payスマートローン」(10.2%)や、dスマホローンやファミペイローン(いずれも2.8%)が、銀行のカードローンの利用を上回っているのは、身近で、借り入れしやすいことがあるかもしれない。

53.2%の人が「10万円〜100万円」を借りている

調査では、「借り入れした合計金額」(単一回答)についても聞いた。

それによると、人によって金額にばらつきはあるが、最も多かったのが「30万円〜50万円未満」で18.2%、次いで「50万円〜100万円未満」の17.8%、「10万円〜30万円未満」の17.2%が続いた。

これらの合計にあたる53.2%の人が「10万円〜100万円」を借りているとみられる。

その一方で、「500万円〜800万円未満」と答えた人が1.4%、「800万円〜1000万円未満」が1.2%、「1000万円以上〜」と答えた人も2.0%と、多額を借り入れている人も少なからずいた。【図3参照】

借り入れの手続きで、「申し込みから借り入れまでに、おおよそどれくらいお時間がかかりましたか」(単一回答)との問いには、29.1%の人が「30分未満」で借り入れている。

また、「30分以上〜60分未満」と答えた人は26.1%と、半数を超える人が1時間ほどの「スピード融資」でお金を借りていることがわかった。

じつに、カードローン利用者の88.4%が「即日」で借り入れていることがわかる。【図4参照】

「申し込み後のカードローン会社からの連絡手段を教えてください」(単一回答)との問いに、41.5%の人が「電子メール」と答え、最も多かった。

次いで、「電話(携帯電話)」の15.6%、「郵便物」が12.8%と続いた。「連絡なし」と答えた人も、12.4%いた。【図5参照】

さらに、「勤務先に在籍確認の電話連絡はありましたか?」(単一回答)と聞いたところ、「はい」と答えた人は44%、56%の人が「いいえ」と回答。「収入証明書の提出を求められましたか?」(単一回答)との問いには、「はい」と答えた人は42%、58%の人が「いいえ」と答えた。

借り入れの目的 最多は「生活費」

利用者に、「借り入れの目的を教えてください」(複数回答)と聞いたところ、「生活費」と答えた人が52.9%と最も多いことがわかった。

次いで、「趣味・レジャー・旅費」が26.5%、「商品・サービスの購入費用」と答えた人は18.4%だった。「冠婚葬祭」の費用に利用した人も10.2%いた。【図6参照】

また、「返済期間はどの程度でしたか? または、どのくらいの期間で完済する予定ですか?」(単一回答)と聞いたところ、返済の完済期間は「2年〜3年未満」と答えた人が28.9%で最も多かった。その一方で、「1〜3か月未満」と短期で完済している人が16.2%で、これに続いた。【図7参照】

カードローン会社のテレビCM効果は、小さくない!?

こうしたカーローン利用者の傾向とともに、選ばれた会社の上位は、いずれもテレビCMでよく目にする消費者金融(ノンバンク)ばかりだ。

第1位のプロミスは、「パッと! ピッと! プロミス」がキャッチフレーズ。現在放映中のテレビCMは、素朴なことに「なぜ?」と疑問を投げかける、好奇心旺盛な「おもしろ家族」が登場するシリーズで、2018年3月30日から放送されている。カラフルな衣装をまとう長男役に溝端淳平さん、長女に岡本玲さん、母親が西田尚美さん、父親に田中直樹さん(ココリコ)の4人の掛け合いが、プロミスの便利さを訴求している。

威厳のある、凛とした女将(大地真央さん)が板前(今野浩喜さん)に、「そこに愛はあるんか?」と問うCMでおなじみなのが、第2位のアイフル。「愛がいちばん! アイフル」のキャッチコピーで、一度見たら忘れられないテレビCMは、舞台やドラマで見る颯爽とした姿の大地真央さんとは思えないコミカルな演技に、思わずクスっとしてしまう。お笑い芸人の相手役、今野浩喜さんとの掛け合いも、クセになりそう。

SMBCモビットも印象深い。じつはCMの「顔」である竹中直人さんは2000年から、同社のテレビCMへの出演を続けている。最近では、有能な執事役としてお嬢様(小芝風花さん、2019年〜)のために先回りして、マジシャンのごとく奉仕する姿がユニークに描かれている。

ちなみに、第4位のアコムのキャッチフレーズ「はじめてのアコム」もこの20年、変わらない。CMは現在、豊臣秀吉役で濱家隆一さんと徳川家康役の山内健司さん(いずれも、お笑いコンビのかまいたち)、織田信長役の鈴木伸之さんが、架空の安土桃山時代で「今しかできないことを。」と、「なりたいもの」に扮するストーリー。

お金を借りるのが初めてという人、お金をどこで借りればいいのか迷っている人、お金がピンチ......。どの会社のテレビCMも、そんなときにすぐに思い出せる、印象に残るCMばかり。カードローン会社のテレビCM効果は小さくないことがうかがえる。

なお、調査はカードローンの使用経験のある国内の20代〜60代の500人(各年代から男女それぞれ約250人ずつ)を対象に、2023年6月にインターネットで実施した。