東海汽船が7月7日から「東京湾納涼船」の運航を開始しました。東京湾の夏の風物詩ともなっているクルーズは、以前よりも少し雰囲気が変わっているそうです。

さながら船上の夏祭り!9月まで毎日運航

 東海汽船は2023年7月7日(金)、「東京湾納涼船」の運航を開始しました。夏季の夜間に運航するミニクルーズで、今年は9月18日(月)まで毎日運航されます。


東京湾納涼船(乗りものニュース編集部撮影)。

 乗船料は1500円(こども500円)。平日は浴衣着用で1000円となることもあり、多くの人が浴衣を着用して乗船するため、コロナ前は「東京No.1浴衣スポット」などとも言われていました。コロナ禍でしばらく休止を余儀なくされましたが、昨年から再開しています。
 
 使用されるのは、主に東京(竹芝)〜大島・神津島航路に就航する約6000トンの大型客船「さるびあ丸」。竹芝桟橋を出港した後、レインボーブリッジやお台場、大井コンテナ埠頭、羽田空港のそばを通って竹芝桟橋に戻ってきます。
 
 船内では、生ビールや「明日葉の天ぷら」「島塩からあげ」「島寿司」など、飲料や島グルメ、スイーツなどを販売。ナビゲーターによる夜景ガイド、特別ゲストのスペシャルライブもあり、さながら船上の夏祭りのようです。

「東京湾納涼船」どこ通る?実際に乗ってみた

 東海汽船は、7月7日の運航初日を報道公開しました。当日はタレントの井上咲楽さんがスペシャルゲストとして登壇。既に何度も大島を訪れたことがあるという井上さんは「納涼船が島旅行のきっかけになればと思っています」と呼びかけていました。
 
 納涼船は19時15分に銅鑼の合図で出港し、しばらくすると、運航初日を記念して晴海埠頭沖から花火が打ち上げられました。船はレインボーブリッジの下をくぐって進み、大井コンテナ埠頭では、停泊する巨大な貨物船や、コンテナを積み卸ろしするガントリークレーンの夜景が幻想的です。
 
 羽田空港に近づくと、頭上を飛行機が大きなエンジン音を響かせながら通過。ライトアップされた空港のターミナルビルや滑走路など、東京湾ならではの夜景を堪能することができます。羽田空港沖で船は向きを変えて折り返し、21時頃に竹芝桟橋に着岸しました。
 
 東京湾納涼船と言えば、ネット上などで「ナンパスポット」として紹介されることもあります。実際に乗船して見ると、家族連れの外国人観光客や、夜景の撮影を目的に乗っている人などもいて、客層は多彩でした。船の場所によっても雰囲気が異なり、特設ステージが設けられた6階デッキは多くの人で賑やかでしたが、船内や5階のデッキは比較的混雑しておらず、乗船客が静かに夜景を楽しんでいました。
 
 東海汽船は、ナンパなどの迷惑行為、アルコールの一気飲みといった行為は禁止しており、「落ち着いた雰囲気で夜景を楽しめるようなイベントにしたいと考えています」と話します。以前より少し雰囲気も変わったといいます。
 
 納涼船では乗船券や料理、飲み放題、船内の座席がセットになったプランもあり、グループで落ち着いてクルーズを楽しむこともできるようになっています。