「水出しコーヒー」「アイスコーヒー」の違いは? 味に特徴は? 作り方をメーカーに聞く
「水出しコーヒー」という飲み物を聞いたことがある人は多いと思います。名前を聞く限り、「冷やしたコーヒー」「すっきりとした味わいのコーヒー」というイメージがありますが、アイスコーヒーとは、何が違うのでしょうか。
「ブレンディ」「ちょっと贅沢(ぜいたく)な珈琲(コーヒー)店」などのコーヒーをはじめとする飲食料品を製造、販売する味の素AGF(東京都渋谷区)の担当者に聞きました。
抽出時に水を使用
Q.そもそも、水出しコーヒーとは、どのような飲み物なのでしょうか。使用する材料や作り方について、教えてください。
担当者「水出しコーヒーは、お湯ではなく水でレギュラーコーヒーを抽出して作った飲み物を指します。レギュラーコーヒーとは、コーヒー生豆を焙煎(ばいせん)し、ひいた状態のコーヒーです。水出しコーヒーの作り方は、以下の通りです」
(1)水出し用のコーヒーパックにレギュラーコーヒーを約15グラム入れます。
(2)レギュラーコーヒーを入れたパックをポットに入れ、水を静かに注ぎます。パック1袋につき約250ミリリットルの水が必要です。冷水を使用した場合、抽出時間が長くなることがあります。
(3)ポットに水を入れたら、冷蔵庫で約4〜8時間ほど置きます。つけ置き時間は、お好みで調整してください。
Q.水出しコーヒーとアイスコーヒーの違いについて、教えてください。
担当者「一般的なアイスコーヒーは、お湯で抽出したレギュラーコーヒーやインスタントコーヒーを冷蔵庫などで冷やした飲み物を指します。
例えば、氷をたくさん入れた耐熱ポットの上にレギュラーコーヒー入りのドリッパーを設置しお湯で抽出すると、コーヒーが一気に冷やされることで、香りとうまみが閉じ込められるため、透明感のあるアイスコーヒーを楽しめます」
Q.水出しコーヒーの味の特徴について、教えてください。
担当者「コーヒーは、お湯を使うことで、水よりも多くの成分を抽出できます。水でも抽出しやすい成分は甘みや香りなどで、反対に水で抽出しにくいものは、苦みの成分の一つであるタンニンや雑味の成分です。
このため、水出しコーヒーは、苦み成分や油分が抽出されにくく、まろやかな味わいになります。甘みがあって苦みの少ないすっきりとした後味がお好みの方にお勧めです」
Q.水出しコーヒーを作った後、容器に入れて冷蔵保存する場合、何日以内に飲み切った方がよいのでしょうか。
担当者「当社でも発売しているレギュラーコーヒーの水出しタイプの商品の場合、コーヒーを作った後、冷蔵庫で数日間保存すると、細菌が繁殖する原因となります。そのため、水出しコーヒーを作った当日中に召し上がるよう、ご案内をしております」