ラジオNIKKEI賞に出走予定のシルトホルン(撮影:下野雄規)

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 今週の日曜日は、福島競馬場でラジオNIKKEI賞(GIII)が行われます。

 過去10年のラジオNIKKEI賞で1番人気は2勝と低迷しています。特に19年から22年に行われたラジオNIKKEI賞では1番人気が全て4着以下に敗退しています。ハンデ重賞である事や小回りの福島に加えて、非根幹距離である芝1800mで行われる事が波乱傾向に拍車をかけている要因と言えるのではないでしょうか。

 そんな難解なラジオNIKKEI賞に今年は16頭が出走を予定しています。上位人気ですが、今年はレーベンスティールが抜けた1番人気になりそうです。あくまでも想定の段階ではありますが、新馬戦で今年の皐月賞馬ソールオリエンスと僅差の競馬をしている事や前走の1勝クラスを5馬身差の圧勝で勝利した事が高く評価されていると思われます。

 それに続くのが前走の白百合S(L)で鋭い決め手を発揮し勝利したバルサムノートや前走スイートピーS(L)で優勝したウヴァロヴァイト、今回と同じ小回りの小倉で2戦2勝と良績を残すアイスグリーン、未勝利と1勝クラスを連勝し勢いに乗るエルトンバローズなどがいます。

 はたしてAIはどういった結論に至ったのか。早速ですが、AIに弾き出された注目馬をご紹介します。

◆秘めたるポテンシャルは重賞級

 今週のラジオNIKKEI賞でAIが本命に抜擢したのは、穴人気が予想されるシルトホルンでした。

 週初の本命候補3頭には挙がっていなかった本馬ですが、その予想が一転しシルトホルンに高評価が与えられました。

 シルトホルンはここまで9戦2勝2着2回。これまでに出走した重賞では結果を残せていませんが、22年7月の新馬戦では同年のホープフルS(GI)3着馬キングズレイン、4走前の東京で行われた1勝クラスでは今年の毎日杯(GIII)2着、日本ダービー(GI)5着のノッキングポイントと差のない競馬をしていますし、その比較から重賞でも好走するだけのポテンシャルは秘めていると考えられるのではないでしょうか。

 また、シルトホルンの父スクリーンヒーローは07年のラジオNIKKEI賞で14番人気ながら2着と好走しています。スクリーンヒーローもラジオNIKKEI賞以前に出走した重賞では未勝利でしたし重賞での連対実績もありませんでした。それでもラジオNIKKEI賞で好走出来たのは福島に高い適性があったからと言えるでしょうし、その血を受け継いだシルトホルンにも好走のチャンスはあるはずです。

 スクリーンヒーローはラジオNIKKEI賞での好走を足掛かりとして、翌年にはジャパンC(GI)を制するまでに出世しています。シルトホルンにも父スクリーンヒーロー同様にラジオNIKKEI賞での好走をきっかけに、更なる大舞台で活躍してもらいたいものです。