東京ドーム公演の模様

韓国の4人組ガールズグループBLACKPINKが6月4日、京セラドーム大阪で『BLACKPINK WORLD TOUR [BORN PINK] JAPAN』のツアーファイナル公演を行った。日本での公演は、2020年に開催され20万人超の観客を動員した『BLACKPINK 2019-2020 WORLD TOUR IN YOUR AREA』以来約3年ぶり。ジャパンツアーは4月8日、9日の東京ドーム2daysと6月3日と4日の京セラドーム大阪の計4公演を行うというもの。昨年リリースされた2枚目のアルバム『BORN PINK』からの楽曲と代表曲「Kill This Love 」や「AS IF IT'S YOUR LAST」、それぞれのソロ楽曲など全23曲を披露した東京ドーム公演2日目の模様を以下にレポートする。

日本でコンサートができて嬉しい

会場が暗転すると大きな歓声が響き渡り、ピンクのペンライトがドームを包み込む。オープニング映像へ続き、ガムラン風の音楽をバックに妖艶なメンバーの姿がスクリーンに映し出されている。白い衣装に身を包んだ4人がステージに登場し、火花がステージ上から放出されるなどインパクトのある演出とともに人気曲「How You Like That」で幕は開けた。4人とダンサーによるダイナミックなパフォーマンスで、瞬く間にオーディエンスを陶酔させた。

逆境にも負けない、そんな自信を感じさせる「Pretty Savage」に続いて「WHISTLE」をショートバージョンで届けた。LISAは「楽しむ準備はできてる?」とオーディエンスに語りかけ、「Don't Know What To Do」を披露。抜群の歌唱力に加え、ステージを大きく使い、花道を通りメンバーが客席近くまで来ると、オーディエンスのテンションがさらに高まっていくのがわかる。そして、サビでの躍動感が身体を動かさずにはいられない「Lovesick Girls」では銀テープが盛大に放たれる演出もあり高揚感を煽る。

生バンドによる演奏とイメージムービーをインタールードに、ホットパンツスタイルに衣装をチェンジした4人。勇ましさを感じさせるイントロから4人の強さをひしひしと感じられた「Kill This Love」を投下。煌びやかなブラスサウンドに合わせ、ステージからは特効のファイヤーボールが盛大に吹き上がるなど、楽曲の雰囲気とリンクしたアグレッシブなBLACKPINKを堪能。「PLAYING WITH FIRE 」では、生バンドによるパワフルなビートをバックに力強いパフォーマンスで、オーディエンスを魅了していく。

JENNIEは「日本でコンサートができて嬉しい」とコメント。バックバンドメンバーの紹介を経て、最新アルバム『BORN PINK』に収録されている「Tally」に続いて、同アルバムの1曲目に収録されているオリエンタルな雰囲気が印象的な「Pink Venom」を届けた。キュートさとクールさのコントラストが絶妙なナンバーだ。ダンサー総勢16名によるパワフルでセクシーなパフォーマンスと、バンドによるグルーヴィなセッションで大いに盛り上げ、こかからはそれぞれの魅力を堪能できるソロコーナーへ。

トップバッターは3月にソロシングル「ME」をリリースしたJISOO。収録曲の中から夢幻的なナンバー「FLOWER」をセクシーなピンク色のキャミソール姿で披露。手の動きが印象的で可憐なステージング。JISOOの魅力がで詰まったパフォーマンスで、オーディエンスを虜にした。

そして、会場から“JENNIEコール”が巻き起こるなか、JENNIEが黒のノースリーブ姿で登場し「I LOVE U & ME 」を披露。男性ダンサーと2人で魅せるシーンや女性ダンサーと魅せるシーンなど、楽曲の構成に合わせた演出で楽しませてくれた。

続いてはROSE(Eはアキュートアクセント付)。シックな黒いコートで身を包み、スタンドマイクで力強い歌声を響かせスタートした「Hard to Love」、そして、そのコートを脱ぎ、セクシーなキャミソール姿で届けた「On the Ground」で魅了した。

ソロコーナーラストはLISAのパフォーマンスだ。暗闇のステージからせり上がりで登場したLISAは、「LALISA」を披露。炎が立ち昇るなか高いスキルのラップでドームを席巻。さらにポールダンスを華麗に披露し「MONEY」へ。エンディングのダンスでも沸かせ、最後は投げキッスでステージを後にした。

個々の素晴らしさを体感させてくれたセクションを経て、ライブは後半戦へ。コンセプトムービーに続いて届けられたのは、BLACKPINKのアイデンティティを感じさせるナンバー「Shut Down」だ。パガニーニのクラシックナンバー「ラ・カンパネラ」を大胆にサンプリングしたBLACKPINK新機軸となる楽曲で、最新アルバムのリード曲。4人のエネルギッシュな歌声に反応するようにオーディエンスもペンライトを振る腕に力が入る。

MCコーナーでは、ROSEの合図でウェーブを行うなど集まったBLINK(※ファンの愛称)たちを楽しませる。そして、JENNIEが「あと2曲です。準備できましたか?」と投げかけヒット曲「DDU-DU DDU-DU 」をパフォーマンス。多くのダンサーと派手なライティングも相まってボルテージは最高潮。そして、スクリーンにピンクの花火の映像が投影されるなか「FOREVER YOUNG」を歌唱。胸にグッとくる歌を丁寧に届け本編が終了。4人は感謝を伝えステージを後にした。

アンコールでは、トロッコに乗った4人が登場し、「Yeah Yeah Yeah」と「STAY」を届けた。オーディエンス1人1人に語りかけるように歌う4人の姿が印象的で、BLINKへの愛が伝わってくるようだ。メインステージに戻り、「ダンスしましょう!」とラストに届けられたのは「AS IF IT'S YOUR LAST 」。4人はこの日集まったオーディエンスに感謝を伝えるようにパフォーマンスさ、多幸感あふれる空間を作り上げ、東京ドーム2日目は大団円を迎えた。

どの瞬間を切り取っても隙のないパフォーマンスで、音楽を武器にそれぞれの魅力を放っていく。キャリアに裏打ちされたエネルギーは天井知らずで、まだまだ高まっていくことを実感。一体この先どんな姿を我々に見せてくれるのか、さらに未来への楽しみが増えたライブだった。【取材=村上順一】セットリストBLACKPINK WORLD TOUR [BORN PINK] JAPAN4月9日@東京ドーム01.How You Like That 02.Pretty Savage03.WHISTLE (SHORT VER.) 04.Don't Know What To Do 05.Lovesick Girls 06.Kill This Love07.Crazy Over You 08.PLAYING WITH FIRE 09.Tally10.Pink Venom 11.FLOWER(JISOOソロ) 12.I LOVE U & ME(JENNIEソロ) 13.Hard to Love(ROSEソロ)14.On the Ground(ROSEソロ)15.LALISA(LISAソロ) 16.MONEY(LISAソロ)17.Shut Down18.Typa Girl19.DDU-DU DDU-DU 20.FOREVER YOUNGENCORE21.Yeah Yeah Yeah22.STAY 23.AS IF IT'S YOUR LAST