DeNAの関根大気[写真=萩原孝弘]

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○ DeNA 7x − 6 ヤクルト ●

<5回戦・横浜>

 取られたら取り返す。延長までもつれ込んだ両軍譲らぬ熱戦は、絶好調の関根大気が決めた。

 中10日で先発した平良拳太郎は「立ち上がりからボールを操ることができ悪くはなかった」と自己評価したが、中村悠平とサンタナにコントロールミスとなったボールをスタンドへ運ばれ、5回4失点で降板。

 しかし6回、二塁打を放った伊藤光のガッツポーズが打線に火を付け、代打・宮粼敏郎、3番に入った大田泰示の連続タイムリーで押せ押せムードに。勢いのまま牧秀悟は豪快にレフトスタンドへ打ち込み一気に逆転。その後はヤクルトが濱田太貴と川端慎吾のタイムリーで2点、DeNAが柴田竜拓の適時三塁打で1点を取り合い、6−6で延長戦に突入した。

 勝負が決まった10回。DeNAは大田泰示と桑原将志がヘッドスライディングで内野安打をもぎ取り、二死一・二塁のチャンスを作ると、関根大気は火消し登板した田口麗斗が投じた2球目のストレートを一閃。打球は前進守備のライトの頭を超えるサヨナラ打となり、グラウンド上で歓喜のシャワーを浴びた。

 お立ち台に上がった関根は、「すごくうれしいです。皆さんが本当に喜んでくれてそれが幸せです」と第一声。「本当に皆さんの声が聞こえていて、自分に届いていて、何とかやってやりたいなと思って打席に入りました」と気合を入れ直し、打った瞬間は「サンタナに捕られないように願って走ってました」と笑顔。

 最後は「明日から横浜スタジアムを離れて、名古屋に行ってくるんですけれども、またチーム一丸となって1個でも多く勝ってこれるように頑張っていきます。また応援よろしくお願いします!」とファンに誓い、大喝采を浴びていた。

 その後の取材でも「とにかく嬉しいです」と喜びを噛み締めた関根。打席の直前で相手投手が田口に代わった場面は「トイレに行きました。一回スッキリしてから」と笑顔で明かした。4点ビハインドでも「まず1点」とチーム一丸で諦めない気持ちを共有し結果につなげていると胸を張った。

 これで横浜スタジアムで4度目のヒーローとなった背番号63。プロ10年目にしてチームに欠かせぬ存在となってきた。

取材・文・写真=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)