那須町で大田原高校の生徒と教諭合わせて8人が亡くなった雪崩事故で、一部の遺族が講習会の責任者だった教諭3人と県などに損害賠償を求めた裁判の口頭弁論が8日、宇都宮地方裁判所で行われ、遺族が「雪崩は人災だった」などと訴え結審しました。判決は6月28日に言い渡されます。

 事故は2017年3月、那須町で登山講習中だった大田原高校山岳部の男子生徒7人と顧問の男性教諭1人の合わせて8人が雪崩に巻き込まれ死亡したものです。民事裁判では遺族らが県と高体連、それに講習会の責任者だった教諭3人に合わせて約3億8500万円の損害賠償を求めています。

 8日は遺族6人の尋問が行われ、当時、高校1年生だった息子の公輝さんを亡くした奥勝さんは「被告側は自然災害だと訴えているが、登山としても学校の部活動としても問題がある。雪崩事故は人災だ」と述べました。また、遺族らは異次元の世界に生きているようだと、息子を失った悲しみや苦しみを涙ながらに語りました。

 教諭側は国家賠償法の規定で職務中の公務員による損害は国や自治体が負うため、個人の賠償責任は問えず過失もなかったとしています。3人の教諭は一度も出廷しませんでした。

 裁判は8日で結審し、判決は6月28日に言い渡されます。