新型コロナウイルスの影響で登山の楽しみ方も変化している中、春の登山シーズンを前に4日、登山の新たな在り方などを考える講演会が栃木県庁で開かれました。

 この講演会は栃木県内の40の団体で組織する栃木県「山の日」協議会が開いたもので、登山愛好者らおよそ60人が参加しました。

 雑誌「山と渓谷」の元編集長で、日本山岳救助機構研究主幹の久保田 賢次さんが「コロナ禍における登山の変化と今後の課題」をテーマに講演しました。久保田さんはコロナによる登山の変化について、密を避けるため単独や2人などの少人数での登山が増えたこと、また、登山者同士の会話の機会が減り情報交換が難しくなっているなどと指摘しました。そのうえで単独登山が普通であるという認識のもとに遭難事故の対策を立てることなどを提言しました。さらに、登山道の荒廃が進んでいることから登山道に関する法律の制定が必要だと訴えました。

 続いてシンポジウムが行われ、栃木県「山の日」協議会の石沢好文会長が司会を務め県内5つの山岳関係団体の代表と久保田さんが単独登山者の遭難対策などを話し合いました。