アーセナルの日本代表DF冨安健洋【写真:Getty Images】

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内田氏はクロスの際に「もうちょっとボールを外に出したい」と見解

 元日本代表DF内田篤人氏とゲストの元日本代表DF槙野智章氏が、スポーツチャンネル「DAZN」の番組「Atsuto Uchida’s FOOTBALL TIME」内で、日本代表の後輩でもあるアーセナルDF冨安健洋について語った。

 プレミアリーグで首位に立つアーセナルは、現地時間1月27日に行われたFAカップ4回戦で同2位のマンチェスター・シティと対戦。右サイドバック(SB)で先発出場した冨安は、前半7分に左サイドから流れてきたボールに合わせミドルシュートを放ったが、枠を捉えたボールはドイツ人GKシュテファン・オルテガに阻まれた。内田氏が「このシュートなぁ。よく抑えたけどね」と言うと、槙野氏も「すごくいいミートしているね」と、得点が決まらなかったことを惜しがった。

 また、後半6分にはカウンターを仕掛けたシティが、フリーランニングをするノルウェー代表FWアーリング・ブラウト・ハーランドにスルーパスを出し、冨安が対応した場面があった。この時、ハーランドにショルダーチャージで冨安が跳ね飛ばされたが、槙野氏は「いい守備だわ」と称賛し、「冨安がこんなに吹っ飛ばされることって、そんなにない」と指摘。内田氏も「本当にそう」と相槌を打つと、槙野氏は「しかもこれ、身体が前に入っているのに」と、イングランドでも驚異的なペースでゴールを重ねているハーランドに脱帽した。

 試合は冨安がマークしていたイングランド代表MFジャック・グリーリッシュのパスをフリーで受けたオランダ代表DFネタン・アケのゴールで、シティが1-0と勝利。冨安は、その後も右サイドからクロスを入れる場面もあったが、シュートにつなげることはできなかった。

 現役時代にアーセナルで冨安がプレーする右SBだった内田氏は、クロスについて「もう少し前だったね」と言い、「人それぞれの蹴り方があるからいいんだけど、俺だったらもうちょっと外に(トラップした)ボールを出したい。あれだと、ちょっと内側に巻いちゃうのよ。だから、前に出すか、外に出すか」と、シュートにつながらなかった理由を分析した。

槙野氏は2018年の森保監督の練習でのエピソードを告白

 さらに、過去に冨安にもクロスについて「腰で蹴る感じ」という感覚を伝えた内田氏は、「左利きの人って、クロスが上手い人っていっぱいいるじゃん? 俺は真正面からも、真横からも見たけれど、大体(ボールを)身体の外側に置いて腰で巻くのね。それができる右利きの選手ってあまりいない」と続けた。

 日本代表ではセンターバック(CB)を務めながら、アーセナルではSBでプレーしている冨安。日本代表でともにプレーした槙野氏は、「マジで、なんでもできる」と言い、「最初に森保ジャパン立ち上げの時に一緒にやらせてもらった時に『この選手、面白い』と思った」と、2018年の森保ジャパン発足当時の練習中のエピソードを明かした。

「森保さんの練習って、最初に複雑なことを落とし込んで、そこから徐々にできるようになっていくんだけど、その練習がプレッシングで、とにかくディフェンスラインにとって不利な練習。森保さんが理不尽なボールをパンと出す。それに対して、攻撃の選手たちはプレスをかける。DFの選手たちは無理な状態だから、それを頑張ってつなごうとする。そういう練習で冨安選手は、いとも簡単にパンパンとかわしたりしていて、『意外にできる。面白い』と思った」

 それを聞いた内田氏も、「こういう選手って、どちらかと言うと固くて、蹴っちゃう感じがある。そこらへんが違う」と同調。槙野氏は頷いて、「最初からそういうことができて『この選手、面白い』と思って、コーチングスタッフに『いいですね!』って言いに行った」ことも明かした。これに対し、内田氏は「でも、コーチングスタッフは全員、知っているよ。いいと思ったから呼んでいるんだもん」と、冷静に突っ込んだ。

 日本代表の最終ラインを支えてきた2人も、大きな期待を寄せる冨安。シーズン前半は負傷にも苦しんだが、後半戦はどのようなパフォーマンスを見せてくれるだろうか。(FOOTBALL ZONE編集部)