雪国では、駐車時にサイドブレーキや足踏み式のパーキングブレーキをかけていると凍結の恐れがあるとも。では、自動でブレーキがかかることもある電動パーキングブレーキも、やはり凍結の恐れがあるのでしょうか。

パーキングブレーキはワイヤーが凍る恐れ 電動は?


雪国では駐車時にパーキングブレーキをかけるべきでないといわれる(画像:Sergey Zavyalov/123RF)。

「雪国では駐車時にパーキングブレーキをかけない」と言われることがあります。ブレーキのワイヤーが凍ってしまうのがその理由。JAF(日本自動車連盟)も、パーキングブレーキを使わず輪留めをするよう呼びかけています。
 
 では、最近急速に普及が進んでいる電動パーキングブレーキの場合はどうでしょうか。

 電動パーキングブレーキは、作動のしかたも解除のしかたも車種により異なり、Pレンジ連動やエンジンオフにて自動でかかるものもあります。自動オンを解除する設定も、車種によっては複雑で、ふだん意識していない人も多いのではないでしょうか。

 しかしながら、国産車の取扱説明書などを見ると、やはり寒冷地では電動パーキングブレーキをかけずに、輪留めをしてと、各メーカーが記載しています。

「え、展示車も普通にパーキングブレーキを解除せずに停めていますよ。けっこうな雪降りますけど……」

 こう話すのは北陸地方のある欧州車ディーラーの担当者。すでに取扱車は全車が電動パーキングブレーキですが、顧客のクルマがパーキングブレーキの凍結トラブルにあった経験もなければ、解除の方法を聞かれた記憶もないといいます。

むむ、凍結の可能性はあるの…?

 メルセデス・ベンツ日本によると、メルセデス車の取扱説明書などでも、寒冷地で電動パーキングブレーキを使用しないでといった注意喚起はしていないといいます。

 レンタカーは慣れないドライバーの利用も多いのではないかと考え、ニッポンレンタカーに北海道などでの電動パーキングブレーキに関する事例も聞いてみましたが、レンタカーではそこまで普及していないこともあり、凍結トラブルの事例はないとのことでした。

……案外、気にしなくても大丈夫なのでは。そう思い、寒冷地で定評あるスバルに聞いてみると、「凍結の恐れがあります」とキッパリ。


電動パーキングブレーキの例(画像:写真AC)。

 ブレーキを作動させるモーターが凍る可能性があるのだそう。その意味では電動格納ドアミラーも同様にモーターが凍る可能性があるものの、ただしモーター内部に水が入り込んだ場合、とのことでした。

 電動パーキングブレーキは構造も様々で、モーターによりアクチュエータを作動させてブレーキをかけるものと、ワイヤーをモーターで引っ張るものなどもあります。いざというときのため、その構造や解除の方法などを知っておいて損はないかもしれません。