最高速度は70km/hに達します。普通に速い。

人間による目視点検の置き換え図る

 JR東日本は2022年12月13日(火)、新幹線の線路をメンテナンスする保守用車について、新たに2種類を順次導入すると発表しました。


2023年度から順次投入されるモニタリング車両(画像:JR東日本)。

 まずは2023年度に導入予定の「レールモニタリング車」です。測定中の運転速度としては国内最速で、JR東日本に確認したところ、従来の約2倍の70km/hとのこと。限られた時間を有効に活用し、レールの摩耗具合や、疲労き裂などの状態を測定していきます。超音波により、外から見えないレール内部の傷も探査することができるといいます。イメージ図では、車体色は緑色が設定されています。

 次に2024年度に導入予定の「線路設備モニタリング車」です。線路の取り付けボルトがゆるんだり脱落したりしていないか、分岐部でレールの位置が異常になってないか、路盤や道床が沈下したりたわんだりしていないかなどを、3種類の計測装置で調べていきます。イメージ図では、車体色は赤色が設定されています。

 こうした計測は、もともと作業員が目視でおこなっていたものでした。モニタリング装置が人間レベルの精度で調査可能になることで、将来的に目視点検の頻度は毎月から隔月へ半減でき、目視検査は1年ごとだったのが機械化で毎月に高頻度化できることが期待されています。

 省人化・精度向上とビッグデータ分析による新幹線保守をJR東日本は「スマートメンテナンス」と呼び、「安全性、品質、生産性向上を図ると同時に社員の働き方改革を推進します」としています。