熊本県内の大部分の区間が動き始めています。

路線測量や詳細設計の段階へ


西側で開通済みの山都中島西IC(画像:熊本県)。

 国土交通省 熊本河川国道事務所は2022年10月14日(金)、熊本県山都町で事業中の九州中央道「矢部清和道路」工区について、測量設計に着手すると発表しました。12月10日には中心杭打ち式が行われます。

 九州中央道は熊本市から高千穂を経由し、宮崎県延岡市までをむすぶ構想の高規格道路です。九州の東西をむすぶ高速道路は大分道と最南端の宮崎道しかないため、現在「中九州横断道」(熊本〜大分)とともに順次整備が進められています。全線開通すれば、熊本県と宮崎県がより短時間で直結され、災害時の緊急輸送道路としての機能も期待されます。

 その九州中央道のうち、熊本側は九州道から山都中島西ICまでの12.6kmが開通し、延伸区間の10.4kmが工事中。今回、そこからさらに県境へ近づく10.3kmが新たに測量設計や用地取得の段階へ移行します。宮崎側では延岡からの13.1kmが開通し、県境部ふくむ高千穂町周辺が事業中となっています。

 ことし事業化を果たしたばかりの「矢部清和道路」工区。県内でも有数の土砂崩れ多発地域に含まれ、現道の国道218号は熊本・宮崎両県をむすぶ緊急輸送ルートとして脆弱性が指摘されていました。熊本県知事は事業化にあたり「熊本のみならず、九州全体にとって、今後発生が想定される大規模災害に対応できる『命の道』、経済を支える『経済の道』、そして沿線地域の『地方創生の道』として、とても重要な道路です」と話しています。