まるで「巨大ブーメラン」翼が本体の爆撃機「YB-49」の初飛行日 -1948.10.21
74年前の10月21日、ノースロップ社製の全翼爆撃機「YB-49」が初飛行しました。
極限の流線型
ノースロップ社製のアメリカ空軍「YB-49」戦闘機(画像:アメリカ空軍)。
今から74年前の1948(昭和23)年10月21日。アメリカ空軍の全翼爆撃機「YB-49」が初飛行しました。
見た目はまさに「ブーメラン」で、主翼が胴体も兼ねている構造です。機体サイズを見てみても全長16.2mに対して全幅は52.4mと、縦横比は1対3.23もある非常に幅広な飛行機でした。
この「全翼機」のコンセプトは「空気抵抗を極限まで小さくする」ということ。さらに翼が本体となることで収容力も大きくなり(翼にも積み込める)、大量の爆弾を積む必要がある爆撃機としての可能性が期待されました。
そのようななか、全翼機の研究を絶えず行っていたアメリカのノースロップ社(現ノースロップ・グラマン)は、プロペラ4基を搭載した「YB-35」の初飛行に1946(昭和21)年6月、成功します。
このYB-35をさらにジェット機に進化させたのが「YB-49」でした。時代はすでにジェットエンジンへの移行が始まっており、パワー増加でさらなる能力アップを図ったといえるでしょう。
しかし既存の飛行機とは全く異なる斬新な構造ゆえに未知の部分があまりにも多く、不安定な挙動を完全に解明するには至らないまま、YB-35と同じ「開発中止」という運命を辿ることになってしまいました。
あまりにも革新的すぎた全翼機。実用化を果たすのはそれから半世紀近く経った1990年代のB-2でした。
なお、この全翼機のコンセプトは、レーダーに察知されにくい「ステルス機」という形で、現在開発中の次世代爆撃機B-21の設計に活かされています。