まずは北陸新幹線の「橋桁と架線」だけ先に堪能しましょう。

ひとつの橋脚でどちらも支える


新九頭竜橋の完成イメージ図(画像:福井県)。

 2024年春開業予定の北陸新幹線の金沢〜敦賀間。この新規開業区間に、国内初となる、新幹線と道路の「併用橋」である「新九頭竜橋」が誕生します。

 この新九頭竜橋が、新幹線開業に先駆けて、道路部分がいよいよ今週末の10月22日(土)に供用開始となります。

 新九頭竜橋は福井市街の北部、九頭竜川にかかる橋梁です。新幹線の橋桁と道路の橋桁をひとつの橋脚が支える構造で、国内では長野電鉄の村山橋、レインボーブリッジのほか、縦に二層構造になっている瀬戸大橋、関西国際空港連絡橋、六甲大橋などの例があります。しかし新幹線の構造物でこのような併用橋は、今回が初の事例となります。

 2021年6月に橋桁の架設が完了し、あとは県道部分の排水施設や安全施設などの工事を残すのみとなっていました。高架橋がつづく新幹線部は水平に川を渡っていきますが、道路部はゆるやかなアーチ状となっています。橋の頂上では、新幹線と自動車の目線が一番近くなります。

 話題性だけでなく、ここに新たに道路橋が架かることで、ボトルネックとなっていた国道8号の福井大橋付近の渋滞の緩和も期待されます。道路整備が進む一般県道「福井森田丸岡線」は最終的に福井港や北陸道丸岡IC方面へのネットワークと一体となり、地域交通の利便性を高めていきます。