「手先が器用」なんてもんじゃない!

23日まで

 JAL(日本航空)が10月14日から23日まで、高松空港で旅客機のエンジン廃材を使ったアート展を実施しています。このイベントでは、JAL機などの整備を担うJALエンジニアリングの整備士が、高い加工技術を駆使して航空機廃材から製作したアート作品を、香川の空・海・大地のイメージに合わせて同空港に展示しているものといいます。


高松空港で実施されている「航空機廃材で製作したアート作品の展示イベント」(画像:JAL)。

 展示されているものは、たとえば「大地」を表現したものだと、ボルトやスペーサーなどのエンジン部品を組み合わせた枝に、棒状の溶加材を溶接することで松の葉を表現した「盆栽」や、チューブ、ブッシングなどの円筒形の部品を中心に成形し、塗装を施すことで本物の張り子のようななめらかさを表現した「張り子の虎」などを展示。これらの展示品は、栗林公園と紫雲山をイメージしたジオラマの上に設置されています。

 このほか、エンジンの覆いの修理などに使用する炭素繊維強化プラスチックの廃棄材料のシートを活用したボーイング787の模型なども展示。台座も、部品輸送用の木材パレットが活用されています。

 JALグループではこれまで、航空機廃材の再活用による廃棄物削減に取り組んでおり、今回のアート展もその一環。これらの廃材は、航空機整備の分野では技術基準(マニュアル)により、時間や飛行回数などが定められ、航空機から取り降ろさなければならないものの、一般材料や第二の機能として十分に使用可能で、かつ高い付加価値を持つといいます。

 今回のアート展は、高松空港の利用促進を目的とした空港での誘客イベントに、JALが賛同したもの。2022年は同県で3年に1度の瀬戸内国際芸術祭が開催されており、JALとして芸術祭とともに新型コロナウイルス感染症により利用者が減少した空港も盛り上げたいという思いもあり、この時期に企画が実施されたとのことです。