1000機の大台突破! 米国製T-6「テキサンII」練習機 導入は14か国に拡大
原型ピラタスPC-9より断然売れています。
アメリカ海空軍の両方で運用される傑作練習機
アメリカの航空機メーカー、テキストロン・アヴィエーションは2022年10月12日、ビーチクラフトT-6「テキサンII」の納入が1000機の大台に乗り、さらに世界中で運用されている同機の累計飛行時間が500万時間を達成したと発表しました。
テキストロン・アヴィエーションが製造するビーチクラフトT-6「テキサンII」(画像:テキストロン・アヴィエーション)。
T-6「テキサンII」は、プロペラ推進のアメリカ海軍および同空軍が使用する初等練習機です。原型はスイスのピラタス社が開発したPC-9練習機で、1990年代初頭に採用され、テキストロン・アヴィエーションがライセンス生産しています。
ただ、外見はPC-9とほとんど変わらないものの、アメリカ軍の要求仕様に合致するよう、中身は大幅に変更されており、両者は9割近く違うといわれています。たとえばエンジンはより高出力なものに換装され、それに伴い性能が向上しているほか、コックピット内の与圧化や、それに伴う胴体強化、バードストライク対策のための風防強化などが施されています。
なお、原型のピラタスPC-9とは別に、テキストロン製の初等練習機として各国に営業が行われており、カナダやギリシャ、イスラエル、モロッコ、ニュージーランドなど13か国と2つのNATO(北大西洋条約機構)飛行学校で採用されているとのこと。
今回、記念すべき1000機目となった機体はコロンビア空軍向けのT-6Cで、ほかの4機とともに同国パランケロにあるキャピタン・ジェルマン・オラノ・モレノ空軍基地で引き渡され、同国を14番目の運用国にしたとのことです。