自分の意志とは無関係に、大量の紙ものが家の中に入ってきます。そのほとんどは不要なもの。この手の紙もの処分は時間と体力のムダです。ライフオーガナイザーの田川瑞枝さんが、できるかぎり家に紙ものを侵入させない工夫と、その処分のコツを紹介してくれました。迷惑郵便物の撃退法は必見です。

不要な紙を家に入れない工夫を。ムダな手間をはぶく

自分の意志で家に入れているわけでもないもののために、片づけの時間が取られるのは腹立たしいものです。筆者の場合は、チラシや不要な郵便物のような紙ものの処理に悩んでいました。そこで、そもそも家に入れない工夫をしました。

 

●チラシを断る

筆者はマンションに暮らし。チラシは1階の郵便受けに集まります。マンションには、「無断で入れないでください」との掲示があるのですが…。毎日確認しなくてはならないほど、ダイレクトメールやチラシが入ってきます。

その量は、肝心の郵便物が埋もれてしまうほど。ほとんどは、筆者に必要のないものなので、機械的に処分していきます。これがとにかく面倒。

 

そこで、わが家には必要ないことを示すために、「チラシお断り」のシールを郵便受けに貼りました。

ちなみに、この手の専用のシールも販売されています。筆者は、効果があるのか半信半疑だったので、お金をかけずに、マスキングテープにマジックで手書きしました。

その1か月間の効果はいかに?

 

なんと、入っていたのは某ピザ店のチラシ1枚だけでした!

ほかのお宅の郵便受けには、透明アクリル窓越しから、チラシが複数入っているのが見えます。どうやら、「チラシお断り」のシールには、効果がありました。

 

●郵便物を断る

ポスティングのチラシの次に、頭を悩ませたのが迷惑郵便物です。

 

マンション住まいだからなのか、「マンションを売りませんか?」という不動産会社の勧誘が非常に多い。これが封筒入りの頑丈なつくりだったり、透明袋入りだったりと、さまざまな形態で届きます。処分がとても手間に。

なんとかならないかと考えて、郵便局のHPを検索。すると、郵便トラブルのQ&Aサイトがあり、迷惑郵便に対する受取拒否の対処法が出ていました。これを参考に「受取拒絶」作戦開始です。

メモか付せんに「受取拒絶」と書き、署名もしくは印鑑を押して迷惑郵便物に貼ります。そして「ポストに入れる」「配達担当者に渡す」「郵便局の窓口に出す」のどれかを行うと、差出人へ返還してもらえます。

筆者は郵便局の窓口へ。これで配達されなくなるか確認しました。窓口の方は「これでも大丈夫です。ただし、確実にするために、こちらの用紙に印鑑かフルネームを書いてほしい」と回答。小さな用紙を筆者に渡してくれました。

そこには、郵便局の方の印鑑が押されており、これが貼ってあるとさらに効果的なのだと教えてくれました。

 

上記のケース以外にも、迷惑郵便は大量にわが家に届きます。そこで、その都度手間をかけない仕組みをつくりました。

「受取拒絶」の貼り紙を、あらかじめたくさんつくっておくことに。プリンターで印刷して、郵便物にすぐに貼れるように準備。さっと、送り主に戻せるようにしておきます。

これで、迷惑郵便物をいちいち開封し、宛名をはずして捨てるという作業から解放されました。なお、ここで紹介した撃退法は、あくまでも郵便物に限ります。

 

●勇気をもって断る

不要な紙類は、日々の買い物でも、わが家に入り込もうとします。

ポイントシール、期間限定のキャンペーンシート、抽選会参加のスクラッチカードなどは、会計時に当たり前のようにショップサイドから渡されることがあります。こうしたものは、自分の意志ひとつで遮断できるので、筆者は勇気をもって断ることにしています。

「集めたら安く買える」「抽選の応募券に使える」など、一見するとお得でメリットがありそうな紙類。しかし、もらったところで、筆者は使ったり申し込んだりしないし、抽選で当たる可能性だって低いのです。

それに、もらったシートや応募券をもって、わざわざ利用場所まで出かける時間もムダ。

実際、この手のものは大概使われません。期限切れとなり、財布の中でゴミとなっているケースは多いのではないでしょうか。

サイズは小さくても、結局、捨てる作業は大きなものと変わりません。はじめから断われば、処分の手間がなくなります。

家の中に入ってしまった紙は小さく捨てる

ここまで、家に入れない工夫を紹介してきました。しかし、どうしても入り込んでしまう紙ものはあります。

チラシなどの紙類は、筆者の住んでいる地域では「透明または半透明の袋に入れて捨てる」のがルール。つまり、処分用の袋が別途必要になります。そこで筆者は、小さく捨てることで、できるだけ必要なゴミ袋の数を減らす工夫をしています。その手順を紹介しましょう。

 

●チラシ類のようなシート状の紙の場合

チラシ類は、A4サイズの1/4サイズにカットします。

 

これをA4サイズの封筒(使用ずみの袋を活用)に入れます。
 

ただ入れるだけではなく、整列させて入れると、かなりの量が入ります。

 

雑然と放り込んだ場合は、10L、20Lといった大きな袋が必要だった雑紙が、A5サイズまで小さくなります。この状態にしてから、規定のゴミ袋の中に捨てます。

 

●紙製のボックスを処分する場合

食品が入っていた紙箱やティッシュボックスなどは、そのまま袋に捨てるとかさばります。空気も捨てているのと同じなので、大きな袋が必要に。

 

そこで、ハサミでカットしてしまいます。たたむだけでは空気の層ができてしまうので、カットした方がよりコンパクトになるのです。

 

なるべくサイズをそろえるのがコツ。

 

そのままバサッとゴミ袋に捨てずに、一度紙袋(使用ずみ)に入れてしまいます。

 

袋の中の空気を圧縮すると、驚くほど小さくなります。このようにしてから、規定のゴミ袋の中へ。

以上、チラシや迷惑郵便物など、自分の意志とは関係なく侵入してくる紙もの対策をご紹介しました。自分の大事な時間や体力を、必要のないものの整理で奪われるのはもったいないです。家に入れなければ、その作業はなくなります。雑紙処理の時間がない暮らしは、とても快適です。