物議を醸したラオスの美容クリニック(画像は『Dr.Nith beuaty center by Mitsavanh 2022年6月6日付Facebook「ສະບາຍດີວັນຈັນ」』のスクリーンショット)

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ラオスにある美容クリニックのFacebookに今月8日、iPhone 14を手に持った3人の患者の写真が投稿され物議を醸している。3人の腹部には血が滲んだガーゼが貼ってあるのだが…。『Thaiger』などが伝えた。

ラオスの首都ヴィエンチャンにある美容クリニック「ドクター・ニース・ビューティ・センター(Dr. Nith Beauty Center)」のFacebookに8日、iPhone 14を宣伝し、腎臓あっせんを推奨するような写真が投稿された。

写真は男性2人、女性1人がiPhone 14を手に笑顔を見せており、シャツをまくり上げた腹部には血が滲んだガーゼが貼ってある。背後の壁には「ドクター・ニース・ビューティ・センター」のシンボルマークが見て取れ、投稿には「iPhone 14」の言葉とVサインの手の絵文字が添えられていた。

この写真はラオスだけでなく、お隣の国タイで拡散、多くの人が「3人の患者はiPhone 14欲しさに腎臓を提供した」と信じて物議を醸した。

これに対し同クリニックは「これはただのパロディ」と説明、Facebookには今も写真が掲載されたままだ。

『Coconuts Bangkok』によるとタイ国内では近年、インターネットを中心に臓器の闇取引が後を絶たないそうで、「こんなジョークは全く面白くない」「非常識」「本当に腎臓を売る人が現れるに違いない」「誤った価値観を植え付けてしまう」と大反響を巻き起こした。

これを受けタイ赤十字社の「臓器提供センター(Thai Red Cross Organ Donation Center)」はクリニックを猛批判、専務理事のソーフォン・メクソン氏(Sophon Mekthon)は「タイでは国民の200万人が死亡後に臓器を提供する登録をしているものの、現在は約6000人が移植待ちの状態」と明かし、次のように述べた。

「この広告は『腎臓を提供すればiPhone 14を手にすることが可能である』と誤解を招くようなメッセージが込められている。臓器売買は禁止されており、iPhoneと引き換えに臓器提供を勧めるような広告は不適切かつ、不道徳で非倫理的だ。」

なおラオス政府は今年8月から、民間企業の従業員の最低賃金を月約10900円(120万キープ)に引き上げているが、同国のiPhone 14は10万円前後、一方平均月収が57000円ほどのタイでも、iPhone 14は12万8千円からと高価格なのが現状だ。

ちなみに2011年には中国でiPhone 4欲しさに17歳少年が腎臓を売り、2016年には同じく中国で「新しいiPhoneが欲しい」と生後18日の娘を“販売”したカップルが話題となった。

画像は『Dr.Nith beuaty center by Mitsavanh 2022年6月6日付Facebook「ສະບາຍດີວັນຈັນ」、2022年9月8日付Facebook「iPhone 14」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)