22日に今シーズン限りでの解散を発表した女子サッカー アンジュヴィオレ広島。地域に愛された11年間でした。

神村理事長[「町のチームで良かったという思いはありますが悲しいかな、無い袖は振れないと、その決断は仕方がなかった」

地元横川の人は「寂しいです一言でいえば。地元から大きく羽ばたいてほしいという夢がある(チームだった)」

「わざわざ遠くから来てアンジュヴィオレの応援に今から行くよというお客さんもいっぱいいた」

アンジュヴィオレ広島が創設されたのは今からちょうど10年前。

なでしこジャパンがワールドカップで優勝した翌年の2012年、西区・横川地区の住民らが中心となって作ったNPO法人により誕生しました。

森下聖二監督(当時)「近い将来なでしこリーグでプレーする。ここにいるみんなでプレーさせる。そういったことに尽力していきたい」

チームが発足した2012年には早くも県リーグで優勝。

創設3シーズン目の2014年には発足時に目標と語っていたなでしこリーグに参入します。

着実に力をつけていたチームでしたが2020年…

広島横川スポーツカルチャークラブ宮地弘充さん「臨時総会で資金めどがたたなければ12月解散という決議がなされている」

新型コロナによる無観客試合やスポンサー収入の減少で「解散の危機」に立たされます。

そんなチームの危機を救ったのは地元・横川の住民でした。

横川商店街などが中心となってイベントを開催。たる募金や支援グッズの販売など町が一体となってチームを支えました。

解散の危機を乗り越えたアンジュヴィオレはなでしこリーグ3部で優勝を果たし、2021シーズンからはクラブ史上初のなでしこリーグ1部で戦っていました。

しかし、新型コロナに加えサンフレッチェ広島の「WEリーグ」参入などクラブを取り巻く環境は年々厳しさを増し、ついに“チーム解散”が決まってしまいました。

神村理事長「いつも通りのかたちでいろんなイベントに関わりながらお別れを言っていくしかないと思っている」

その言葉通り23日も小学生と触れあうイベントに参加していました。

アンジュビオレ広島 守屋栞奈選手「試合のことだけを考えてやっている」

島田優依菜選手「11年前からあるクラブの一人として、今まで応援してくれた人へプレーで感謝を伝えたい」

地域に愛されたアンジュヴィオレ、勇姿が見られるのは残りわずかです。