長崎や福島の小学生も サッカーで「平和と復興」 広島
サッカーを通して平和と復興を考えようと、長崎や福島の小学生が交流する大会が開かれました。被爆地広島で子どもたちは何を感じ取ったのでしょうか。
懸命にボールを追いかける小さなサッカー選手たち。大人顔負けのスーパープレーも飛び出しました!
大会を前に平和公園を訪れた選手たち。被爆地・長崎や東日本大震災の被災地からも小学生が参加しました。
「黙とう!」
サッカー大会のもう1つの目的は、被爆地・広島での平和学習です。
以前は中国地方と長崎のチームが参加していましたが、東日本大震災の翌年以降は被災地のチームも招待するようになりました。
福島の小学生「かわいそう過ぎて見られない」「こわい一瞬で未来が消える」
ことし被災地から参加したのは、原発事故が起きた福島県の選抜チームです。
戦争と震災…時代や被害は違っても復興を進める思いは重なります。
福島の小学生「原爆のこわさとか広島がどんな思いをしたかを知りました。広島に原爆が落とされたのと東日本大震災で多くの人が苦しんでいることは一緒だと思います」
福島県クラブユースサッカー連盟 菅原秀介理事長「ここまで復興した姿は福島が復興にあたってすごく希望になる土地。(子どもたちに)福島のこれからの良い未来をつくっていく役割を担ってほしいなと思っています」
交流会では被爆者で元サッカー日本代表の今西和男さん(81)が77年前のあの日について話しました。
今西和男さん「ドーンという音とともに家は吹っ飛んでしまって『お母さんみんな血が出とるよ』と(言ったら)『あんたも血が出とるから黙って私に背負われていなさい』と言われた」
1966年にバンコクで行われたアジア大会に出場。戦争と原爆を経験し、世界で活躍した今西さんが伝えたのはスポーツで交流する大切さです。
長崎の小学生「戦争がいま日本ではないけど、世界ではあるのでウクライナとかも戦争がなくなって僕たちみたいにサッカーができる平和が戻ってほしいと思います」
20日と21日に安佐南区で行われた平和祈念デンタルサッカーフェスタ。
長崎と福島のチームが対戦するなど、子どもたちがゴールを目指して走り続けました。
長崎県選抜チーム 松本凌央さん(小6)「同じ被爆した県なので平和を大切に考えて(プレーした)当時苦しんでいた人たちのことを思いながら(広島に)あったものを言いたいと思います」
福島県選抜チーム 白石結翔さん(小6)「平和じゃないとサッカーもできないと思うので原爆の詳しいことをもっと調べて友だちとかお母さんお父さんに聞いてほしいです」
サッカーでつながった被爆地と被災地の思い。子どもたちが平和と復興を誓いました。