マンチェスター・ユナイテッドのアレックス・ファーガソン監督は、チェルシーの補強策について公の場で批判したとの報道を、全面的に否定した。

 プレシーズンツアーで訪問中の南アフリカでチャリティの夕食会に参加したファーガソン監督は、700人の招待客の前で、「サッカーを破滅に導いている」とチェルシーの補強策に苦言を呈したと言われている。

 夕食会に出席していた『ヨハネスブルグ・スター』紙のロドニー・ハートマン記者は、ファーガソン監督の発言を次のように証言している。

「ファーガソン監督はチェルシーについて意見を求められたんです。すると彼は、『サッカーを破滅に導いている』と答えました。また、『チェルシーの資金力には絶対に敵わない。彼らはとにかく選手を買い漁っているが、全員にプレーの機会を与えることはできないだろう』とも言っていましたね」

 一方、報道を聞いたファーガソン監督は、「近頃は夕食に出掛けるだけで、誰かに告げ口されてしまう」と言いながらも、発言の内容を全面的に否定した。

「報道されているようなことは言っていない。『今後チェルシーはアフリカ人選手を30人獲得するのではないか』と言っただけだ。サッカーに対する影響など口にしていない。それに、チェルシーには正しいと思ったことをする権利が当然あるし、それは我々も同じこと。私が言いたかったのは、本当にアフリカ人選手を30人獲得したとして、果たしてその選手たちをどのように起用するのだろう、ということだ」

 アブラモビッチ氏がチェルシーのオーナーに就任して以来、ダフ、エッシェン、ロッベンといった選手の獲得競争にことごとく敗れてきたファーガソン監督。今オフには、すでに契約していたナイジェリア人MFジョン・オビ・ミケルを奪われるなど、移籍マーケットのおける力関係は明らか。今夏も戦力補強が思うように進まないファーガソン監督は、積年の恨みからつい口を滑らせてしまったのだろうか。