住み心地の良さは東京髄一!都心近くながら、商店街が活気に満ちた街
渋谷区きっての住みよい街として人気のエリア、笹塚。
新宿、渋谷といった都心へのアクセスの良さはもちろん、福祉施設や公共施設なども多く、世代や性別問わず幅広い層がこの街に集う。
「一度住むと出ていけなくなる」との声も上がる、この街の魅力を徹底解剖する!
東京の街の個性を徹底調査する連載「東京ご近所探訪」。過去にご紹介した街も、要チェック!
今月のエリア【笹塚】
笹塚といえば、新宿、渋谷から近く、渋谷区屈指の人気を誇る街。
一人暮らしにぴったり!とにかく住みやすい人気エリア
住所は、渋谷区笹塚1丁目(南口)と2・3丁目(北口)。首都高を走っていると、突如現れるボウリングのピンが目印
そんな笹塚は、都心に近い立地ながら商店街が元気。特に南口の「観音通り商店街」には、ナチュラルワインのお店や居酒屋、お洒落なイタリアンなどが立ち並ぶ。
その多くが、若手オーナーというのが、この一帯の特徴だ。
「観音通りはノリの良い店と落ち着いた店がそろっていて、気分で使い分けているお客様が多い印象です」と話すのは、2021年オープンの居酒屋『麟』店主の林 賢人さん。
「店との距離感が絶妙で、食べ慣れている方が多いと思います。自分も1年前のオープン時から温かく見守っていただいています」
単身世帯が多く、都内屈指の人気エリアだからこそ、「疎外感を感じさせない、懐の深さがある街だと思います」とも。
帰り道にふらっと寄りたい、懐深き名店『麟』
和洋中を経験した店主による、ジャンルに縛られない料理が楽しめる。
「粗挽き海老しゅうまい」(770円)は、専門店顔負けの美味しさ。
オリジナルのフルーティなタレで味わって。
南口の「観音通り商店街」入口。
『鮨 のがわ』、『さささのさ』『金兎』など実力店が立ち並ぶ。
笹塚の象徴といえば…?まだまだ底知れぬ街の魅力
お洒落すぎず、ダサすぎない。渋谷区で一番“渋谷らしい”街
一方、北口の笹塚3丁目で19年続くバー『uni BAR』の店主・白井則和さんによれば、生粋の地元民たちの繋がりも強固だという。
同店には夜な夜な、そんな人たちが集っている。
「街を盛り上げたいという飲食店経営者や地元民の声は強いですね。その中で生まれたのが『笹塚ビール』。新潟のブルワリーで製造し、現在、笹塚にある約15店舗で飲むことができます」
ラベルには京王線や笹など、街を連想させるものが描かれ、デザイナーも笹塚在住という徹底ぶり。こんな街もそうないだろう。
クリエイティブな地元民の止まり木『uni BAR』
水道道路に近い『uni BAR』。ランチはオリジナルのカレーを提供中。
夜の客層を尋ねると「クリエイティブな職種の方が多いですね」と店主。
「笹塚ビール」(880円)をぜひ
そんな笹塚の象徴といえるのが『笹塚ボウル』だ。来年50周年を迎える老舗のボウリング場だが、クラブイベントやフリマ、結婚式など常に時代を先取る戦略を提案。
現在、渋谷区と提携し、中学校のボウリング部が利用するなど、独自の取り組みも行う。
現在は、三代目社長の財津宜史さんが陣頭指揮を取っている。
笹塚の象徴といえばココ!『笹塚ボウル』
東日本大震災時には、いち早く施設を開放。都心からの帰宅困難者を救ったという笹塚の誇り。
スタッフにはボウリングの日本代表選手もいるという。日中は高齢者、夕方には学生、夜にはビジネスマンや遊ぶ若者と、見事に客層が分かれている。
「ササボバーガー」1,050円
「笹塚って、渋谷で一番渋谷らしい街だと思います。お洒落すぎず、ダサすぎなくて、そのバランス感が丁度良い。
また、渋谷区が推進しているダイバーシティ&インクルージョンの価値観を実感できる街でもあるなと。
この辺は福祉施設や公共施設も多く、子供もお年寄りもいっぱい。みんなが過ごしやすいように、助け合うやさしい街なんです」
財津さんは、現在渋谷区と連携し、笹塚、幡ヶ谷、初台の暮らしの質や街の魅力の向上を図る「ササハタハツエリアビジョン」にも参画中。
強い気持ちで街をより良くしていきたい、と願っているという。
甲州街道と水道道路を繋ぐ「十号通り商店街」。奥に続く「笹塚十号坂商店街」には、小体な良店が増えている
一見すると、甲州街道や環七という幹線道路に囲まれ、無機質に思える。
しかし、前出の白井さんの「ここに住むと出て行かなくなるんです」という声が象徴するように、住人の多くは居心地の良さを強く語る。
渋谷らしい先進性を取り入れつつ、下町の残り香も感じる。そんな、あらゆる多様性を受け入れ、共存する、懐の深さが笹塚の魅力なのだ。
▶このほか:デートで行きたい麻布十番の艶やかな焼き鳥店!ワイン好きも納得のラインナップが嬉しい