2ヶ月経っても…テレ朝「報道ステーション」徳永有美アナへの罵詈雑言 - 渡邉裕二
※この記事は2018年12月13日にBLOGOSで公開されたものです
テレビ朝日が絶好調だ。今秋も「相棒season17」や「科捜研の女18」、「リーガルV~元弁護士・小島遊翔子~」といったドラマに加え、バラエティー番組、さらには「フィギュアスケートGPファイナル世界一決定戦2018」が日本勢の活躍もあって高視聴率を獲得した。「12月第1週(12月3日週)の週間視聴率では〝3冠王〟を獲得しました。もはや在京キー局の中では独走態勢といっても過言ではない」(スポーツ紙の放送記者)。
そんなテレビ朝日の中で、一つ批判を浴びているのが看板の報道番組「報道ステーション」だ。同番組は、今秋の改編で元同局の人気アナウンサーだった徳永有美アナ(43)が復帰した。
報道ステーションの徳永有美アナにバッシング
それまで7年間にわたってサブキャスターを務めてきた小川彩佳アナ(33)に代わっての起用だったが、徳永が決定するやネットを中心に凄まじいほどの罵詈雑言が寄せられた。しかも、その意見の多くは、徳永アナの過去の〝行動〟だった。徳永アナは2001年、同局のディレクターと結婚したものの、03年4月にお笑いの〝ウッチャンナンチャン〟の内村光良(54)との不倫が週刊誌報道で発覚、メディアや視聴者からのバッシングを受け、当時担当していた番組を降板した。
04年からは「報道ステーション」で木・金曜日のスポーツ・コーナーを担当したが、05年に不倫騒動で叩かれた内村との再婚を選び、同局を退職した。その後は、主婦に専念していたが、昨年、AbemaTV内のニュース専門チャンネルにキャスターとして11年ぶりに復帰していた。現在は9歳の長女、そして5歳の長男がいる。
ところが〝フリーアナ〟として復帰してわずか1年。いきなり抜擢されたのが「報道ステーション」だった。しかも、スタートしてみるとサブキャスターどころか富川悠太アナと並んで〝メイン・キャスター扱い〟報道番組でフリーの女子アナが局アナの上を張るという事態に「まるでドクターXのキャスター版」なんて揶揄する声まで出た。
もっとも「ドクターX」のフリーランスの〝女医〟は、そのスキルが持ち味となって勝負をしていたが、「報道ステーション」のフリーランス女子アナには、キャスターとしてどれだけのスキルがあったのか?
結局、そのスキルとは、キャスターとしての力量ではなく「単にテレ朝早川洋会長の後押しがあったから」(放送関係者)だったと言われる。ま、それも、ある種のスキルだろう。
「早い話が、AbemaTVのキャスターは、完全復帰のためのリハビリだったんですよ。当初から、『報道ステーション』を見据えていた。ただ、早川会長の肝煎りもあったとは思いますが、その裏には内村を意識した部分もあったはずです。やはり、将来的には内村を起用したバラエティー番組を模索しているんじゃないでしょうか」(前出の放送記者)。
どちらにしても局内上層部のコネでキャスターに抜擢されたことは確か。しかし、その実力を最終的に評価するのは視聴者である。もちろん、そこで実力が伴えばいいが、そうでなければ逆に罵声を浴びることになる。
その一つが、まずは小川彩佳アナと比較されることだったかもしれない。そのことは当然、局内でも危惧していたはず。
「以前は富川アナが小川アナに気を使っていると言われていましたが、それが突然に、富川アナとは不仲でギクシャクしているとか、小川アナのネガティブな情報が流れ始めました。これは、徳永アナにスイッチするための事前工作だった可能性がありますね。ただ一方で、小川アナの場合、すぐに表情に出るタイプで、例えば財務省事務次官のセクハラ騒動や安倍首相に対しても反発的な部分があり、局内でも彼女への対応が二分していたかもしれません」(スポーツ紙の放送記者)。
しかし、その後、小川アナの降板と徳永アナの起用が発表されるや、ネット上からは小川アナの降板を惜しむ声が溢れ、その一方で徳永アナへの酷評が相次いだ。その多くが「不倫で辞めた女子アナをなぜ起用するのか?」「不倫アナを報道番組のキャスターに起用すべきではない」と言う痛烈な批判だった。
テレビ朝日は不倫に甘い?
ケースはやや違うが、タレントのベッキーは、ゲスの極み乙女。の川谷絵音との不倫騒動で全てのレギュラー番組、CMを降板し、3年も経とうしている現在でも完全復活が出来ていない。このように、今の時代は〝不倫〟というワードは〝パワハラ〟や〝セクハラ〟と並んで避けては通れないニュースになる。確かに、徳永アナの場合は、13年も前の〝出来事〟だが、各メディアからバッシングを受け、番組を降板したのにも関わらず、結局は〝不貞〟の道を選び退社した。それだけに「世間的には反省したふりをしただけ」と映ったことは明らかだ。人気アナだっただけにギャップが大きかったと言ってもいいかもしれない。
そんなマイナス・イメージが拭いきれないうちに「看板報道番組のキャスター抜擢」と言うのはインパクトが大きかった。
「やはり『報道ステーション』と言うのは、報道番組の中でも何かと論議になりやすい。それだけ注目度が高いということです。ネットテレビのニュース番組とは全く違います。そこに突然に戻ってきたわけですから当然、ターゲットになります。ただ、徳永の場合は、過去の〝不倫アナ〟というレッテルに加え、彼女を抜擢したのが早川会長だったことも火に油を注ぐようなことになったはずです」(放送関係者)。
しかも、初回の放送では、冒頭に徳永アナが「10年以上、一視聴者として報道ステーションを見守ってきて、その時に感じたり考えたこと、その時の気持ちを忘れずに…」と挨拶したものの、言葉をかむ場面もあったりしたことから「こんなので大丈夫か?」なんて皮肉った声まで出た。
ところが、キャスターになって2ヶ月経った現在でも批判が収まらない。その批判の内容というのが視聴率が伸び悩んでいることと、徳永アナに対しての視聴者からの苦言。
写真週刊誌「FLASH」では視聴者の意見として「彼の方はよく噛むし、進行が下手」「徳永さんはただの主婦が出ている感じ」なんてキツイ声を掲載している。さらに経済誌の「ZAITEN」に至っては、「早川洋会長〝軽薄の不倫アナ〟起用の末路」なんて見出しで4ページの特集まで組むほど。
正直、ここまで批判されなくてもいい話だとは思うのだが、逆に「報道ステーション」を叩くための格好の材料にされてしまっている部分もあるかもしれない。
もっとも、視聴率的には、一桁の時もあるが指摘するほど下がっているわけではない。そういったことで問題視するなら、有働由美子アナを大抜擢してスタートした日本テレビ「ZERO」の方が深刻だろう。
いずれにしても、昨年は、15年入社でエースとして期待されていた田中萌アナが共演していた男性アナとの不倫騒動で番組を降板したことがあったが、3ヶ月程度の謹慎で復帰してきた。基本的にテレビ朝日は〝不倫〟には甘い局なのかもしれない…。