日本代表、6月シリーズ予想布陣【画像:FOOTBALL ZONE】

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6月シリーズは大迫が選外、冨安、堂安、鎌田、は復帰 伊藤洋輝が初招集

 森保一監督率いる日本代表は5月20日、6月に開催されるキリンチャレンジカップ、キリンカップの4連戦(2日パラグアイ戦/札幌、6日ブラジル戦/国立、10日ガーナ戦/ノエスタ、14日チリまたはチュニジア戦/パナスタ)に臨むメンバー28人を発表した。

11月のカタール・ワールドカップ(W杯)に向けたメンバー選考に関わる重要な4連戦。絶対的エースFW大迫勇也(ヴィッセル神戸)が選外となるなか、3月シリーズで落選していたMF堂安律(PSV)、MF鎌田大地(フランクフルト)が復帰となった。また、所属クラブの試合で負傷交代していたDF冨安健洋(アーセナル)も昨年11月以来の復帰。初招集はドイツ1部シュツットガルトに所属するDF伊藤洋輝となった。

 4連戦でベースとなる布陣は「4-3-3」。森保監督は「まずはこれまでやってきたコンセプトをより徹底して発揮できるように、ベースの部分をより強固にできれば」と話しており、3バックや4-2-3-1もオプションとしては考えられるものの、「立ち返るところがなくなって良さが出ないことになりかねない」と、大きくシステム変更して臨むことは避ける見込みだ。

 まずGKには森保ジャパンを守護神として支えてきた権田修一(清水エスパルス)が中心となってプレーするだろう。W杯本番まで海外組、国内組を合わせたフルメンバーでの強化試合は残り6試合しかなく、最終ラインとの連係面を考えれば、権田が主力とみられる。

 DF陣での注目は冨安の復帰。負傷の状態については「本人のコンディションを代表チームで確認したい」と、不透明な部分もある。所属クラブでは右サイドバック(SB)や左SBを務めているが、日本代表ではDF吉田麻也(サウサンプトン)とのセンターバック(CB)コンビ復活となるだろう。

冨安がコンディション不良の場合はDF谷口彰悟(川崎フロンターレ)、DF板倉滉(シャルケ)の起用が予想される。初招集の伊藤は所属クラブで3バックの一角として活躍。東京五輪世代として年代別代表に招集された際にはボランチ起用されていたが、「守備力が格段に上がった」と森保監督が評価するように、出番が回ってくる可能性もある。

 左SBではDF長友佑都(FC東京)が主力として考えられるなか、DF中山雄太(ズウォレ)にもチャンスはある。右SBは一番手のDF酒井宏樹(浦和レッズ)が右足第5中足骨の手術を受け、全治2か月とみられている。現状のメンバーではDF山根視来(川崎フロンターレ)が務めることになるだろう。

 中盤はMF遠藤航(シュツットガルト)、MF守田英正(サンタ・クララ)、MF田中碧(デュッセルドルフ)がスタメン濃厚となるなか、今回復帰となった堂安や鎌田、MF久保建英(マジョルカ)のインサイドハーフ起用もありそうだ。森保監督はこの3人について「インサイドハーフでもプレーできると思う」との見解を示している。

前線の競争は熾烈…大迫不在の1トップ争いが注目

 左ウイングでは日本の10番FW南野拓実(リバプール)がプレーするとみられるが、W杯切符獲得の立役者となったMF三笘薫(ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ)も控える。右ウイングでは“戦術・伊東”とも言われる欠かせない存在のFW伊東純也(ヘンク)がファーストチョイスだ。そのなかで、MF原口元気(ウニオン・ベルリン)、久保、堂安、鎌田らが出番をうかがう。

 大迫不在の1トップでは、指揮官も「どの選手がアピールしてくれるのか楽しみ」と話すように、本大会に向けて存在感を発揮しなければならない。所属クラブで大活躍し、負傷の影響はありながらもリーグ優勝に貢献したFW古橋亨梧(セルティック)を筆頭に、FW前田大然(セルティック)、FW上田綺世(鹿島アントラーズ)、FW浅野拓磨(ボーフム)らの競争は見ものだ。場合によって南野の1トップ起用も考えられるなか、FW陣が特に強豪ブラジル相手に得点することができるのか、注目される。

 招集メンバーに大きな変更は見られないなか、新戦力や復帰組に実力を出し切ってほしいところ。最強メンバーを揃えるブラジル戦はチケットも完売した。貴重な国内での強化試合で期待は高まる。(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)