レアル・マドリーのスポーツ・ディレクター、ミヤトビッチにとって今週は、ヨーロッパ各地を駆け巡るという多忙を極める週となりそうだ。もちろん選手獲得の契約をまとめるためであり、R・マドリーの06/07シーズンを運命付ける大事な週となる。

まずは、カペッロ監督が獲得を要望しているユベントスのカンナバロ、ザンブロッタ、エメルソンの3選手に正式オファーを出すためにイタリア、トリノに向かう。そして、ACミランのカカーを説得するべくミラノにも足を運ぶ。カカーにはチェルシーも獲得に乗り出しており、アブラモビッチオーナーはカカー獲得に1億ユーロ(約146億円)という天文学的オファーを用意しているとも言われている。これはR・マドリーが用意しているオファーの倍額となっており、金額では太刀打ちできない。しかし、ミヤトビッチはカカーに説得を試みるつもりのようだ。

その後、イギリスに渡り、マンチェスター・ユナイテッドとファン・ニステルローイの移籍について契約を締結させる予定だ。ファン・ニステルローイとR・マドリー間ではすでに合意に達しており、後はマンチェスター・Uとの合意のみとなっている。

ミヤトビッチのヨーロッパ巡礼最後の地ロンドンでは、ロッベン、ロベルト・カルロスについてチェルシーと、セスクについてアーセナルと交渉を行う予定だが、アーセナルのベンゲル監督は「セスクは売らない」とすでに明言していること、チェルシーのモウリーニョ監督も「今いる選手をキープしたい」と言っていることから、交渉はかなり難航すると思われる。ともに一筋縄ではいかないクラブだ。

カカー、セスク、ロッベン獲得を公約に挙げ、会長の座を射止めたラモン・カルデロン会長だが、公約選手の獲得には未だ至っておらず、公約を果たすことが厳しい状況となっている。R・マドリーにとって正念場を迎える週となるだろう。