クラブの粉飾決算、前ユーベ(ユベントス)GMルチャーノ・モッジによる「審判操作」などのスキャンダル発覚により04−05、05−06シーズンの優勝が剥奪、セリエB降格に加えマイナス30ポイントからのスタートという厳しい判決が下された名門ユーベ。現在クラブ側はペナルティ軽減を求める告訴に動く方針だが、セリエB降格は避けられないと見られている。

セリエB降格が現実味を帯びるにつれ、所属選手の移籍話が紙面を賑わせている。ドイツW杯でフランス代表DFとして活躍したトゥラムは「セリエBでのプレイは受け入れ難い」と移籍を示唆するなど選手間にも動揺が走っている。一足早くレアル・マドリーと契約した前ユーベ監督カペッロは愛弟子MFエメルソン、代表主将カンナバーロ、DF・中盤の両サイドをこなす職人ザンブロッタの引抜きを画策。唯一の“潔白ビッグクラブ”インテルは優勝に向けての千載一遇のチャンスに、世界最高ボランチのビエィラ、スウェーデンの若き天才イブラヒモビッチ獲得に動く。

それ以外にもセリエB降格により、代表クラス選手の移籍金下落を虎視眈々と狙うクラブも少なくない。先日、ユーベ会長ジョバンニ・コボリ・ジリは「B降格で選手の何人かはいなくなるだろう。ただ、我々は選手を安売りする気はない」と強気な姿勢を見せてはいるが、移籍話は今後もメディアを賑わすことになるだろう。